2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26600121
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
岩長 祐伸 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端フォトニクス材料ユニット, 主任研究員 (20361066)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光学素子 / サブ波長構造 / メタマテリアル / メタ表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題はサブ波長構造でありながら、高性能な光学素子を実現することを目的として実施した。とくに素子の厚みが波長よりも薄いことを特徴として、光波の操作効率が高い素子に着目して研究を遂行した。 実際のナノ加工による作製ではスループットの低い電子線リソグラフィに頼ることなく、高スループットのUVナノインプリント法によって大面積なサブ波長光学素子の作製を実施した。今後のサブ波長光学素子の実用化を考えるときに高スループットかつ高精度なナノ加工は非常に重要である。 実際に作製したサブ波長構造の光学素子は相補的に積層した金属ナノ構造からなる偏光子であった。平面内の正方形の単位胞をもつ構造で単位胞内に II 型を形成する構造が優れた偏光子構造であることを研究代表者は 2010 年に見出しており、その実証に注力した。素子の厚みに関しては厚さ 250 nm でありながら、消光比が 10000 を超える性能であることを実験的に証明した。消光比のピークでは 18000 を超える値を取り、ハイエンドのプリズム偏光子級の大きな消光比を実現した。周期長は 900 nm と 1000 nm の場合を同時に作製し、それぞれの動作波長は 1620 nm と 1770 nm であった。このように面内のサブ波長構造でありながら、厚みに関してもサブ波長(約 1/7 波長)の厚さで大きな消光比を実現できたことは特筆に値する。今回の成果は高い性能を保ちながら、光学素子をどこまで小さくできるかという問いに答えを出しており、マイクロ光学素子の開発に弾みをつけるものと考えている。
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