2014 Fiscal Year Research-status Report
高圧水中放電プラズマ分光による深海中レアメタルイオンのその場分析
Project/Area Number |
26600129
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
八田 章光 高知工科大学, 工学部, 教授 (50243184)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロプラズマ / 水中放電 / 海水 / 発光分光スペクトル / レアメタル |
Outline of Annual Research Achievements |
電解質濃度が高く導電性の高い海水中でかつ20MPa程度の高圧中で再現性の良い放電プラズマを生成し、発光分光スペクトルの測定によるレアメタルの検出を目的に実験を行った。導電性の高い海水中での放電機構を解明するため、当初計画したプレナー型放電電極の試作に先立って、マイクロマニュピレータによって針-平板電極の電極間をミクロンレベルで調整し、常圧の大気中、純水中、および人工海水(3ASW, 10ASW)中での放電および発光分光測定を行った。 大気圧(常圧)下では人工海水中であってもマイクロギャップ間(10~60um)での放電開始電圧は純水や気体中とほとんど同じ数100V~1kVであることを確認し、マイクロギャップ中の放電によって比較的低電圧で放電プラズマの生成が可能であることを確かめた。ただし高い導電性によりマイクロギャップ間で10A近い電流が必要であることから、大電流を供給するためコンデンサの電荷をコイルを通して負荷にパルス的に供給するインパルスジェネレータと呼ばれる回路を用いて最大電圧約1kV、最大電流約20A、パルス幅約10usの電流パルスを生成し、海水中で再現性良く放電を生成した。 人工海水(10ASW)中プラズマの発光分光スペクトルでは主成分であるNa, Mg, Ca, Cl, H, Oに加えて電極材料から溶出したPtとPdの発光ピークが検知された。人工海水構成元素のうちS, K, C, Br, B, F, Srはこれまでのところ検出されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プレナー型電極を試作し高圧マイクロプラズマ容器中での放電実験を計画したが、プレナー型電極はギャップ間隔が固定されるため放電特性の分析には不向きであると考え、針-平板電極によるマイクロギャップ中放電を優先して行った。 高圧下での実験については具体的な製品や転用可能な機材の情報が少ないため、各種の専門業者からヒアリングを行って、ポンプ関連の機種選定を行った。容器についてさらに調査、設計した上で今年度前半に発注を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度より本研究テーマに従事する博士課程学生(留学生)を確保した。また初年度に計画して遅れている加圧ポンプと高圧マイクロプラズマ容器の設計、試作を前半に進める。
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Causes of Carryover |
H26年度に計画した高圧マイクロプラズマ容器の試作、加圧ポンプの選定が予定より遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
加圧ポンプについては一般液クロ用ポンプで適切な機種(25MPa)を選定済み、高圧マイクロプラズマ容器について、高圧容器の試作に実績のある業者と仕様を検討中。H27年度上半期に購入予定。
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Research Products
(3 results)