2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26600135
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小原 顕 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (50347481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハイドロフォン / 光学式ハイドロフォン / 冷却アンプ / 高速・局所密度測定 / 流速計 |
Outline of Annual Research Achievements |
今期の目標は、低温での高速な流速・圧力同時測定装置を実用化するための基礎研究であった。前年度に判った問題は、圧力信号に巨大なノイズが重畳していることであった。予想されるノイズの原因を 1、レーザー光源の出力揺らぎ 2、光検出器の感度揺らぎとしてその原因を究明する研究を進めた。 1は半導体レーザの本質的な不安定性に起因しするもので、解消には本予算の数倍程度の予算が必要であるから現実的でない。そこで、光源を通常の大出力赤外線LEDに替えることにした。非コヒーレントなので集光の問題があり、局所性を多少犠牲にしてNAの大きな大口径ファイバにせざるを得なかった。また、光源にフィードバック回路を導入し、さらに、その氷水で一定温度に保つ方式をとったところ、光源の安定性は劇的に改善された。 2 に関してはAPD由来のノイズを避けるため、通常のフォトダイオードによる検出に変更、アンプもCMOSタイプからFETタイプに変更し、さらに氷水で一定温度にたもつことにした。 以上の結果、静的密度測定の精度は約40倍向上した。さらなる精度向上のために、GaAs/pHEMT タイプのFETを用いた液体ヘリウム冷却のアンプの導入を検討し、アンプ単独の動作は確認した。これは汎用性の高い基礎技術であるため、他分野からの照会があるなど国際的にも需要のある研究であることが判明した。そのため、プラハで行われる国際会議 QFS2016 にて発表する予定である。 また、ピトー管による速度場測定を行うための、流速発生装置について、矢野らの主導する低温モーターの実験にも参加し、共同で一定の成果を得た。これをもとに、ピトー管を構成すればよいのだが、残念なことに、圧力検出器の感度が足りないため現時点での構成が困難であることも判った。その代替手段として、超音波流速計の検討・予備実験を開始した。今後の発展が期待できる。
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