2015 Fiscal Year Research-status Report
積層薄膜構造導入による超伝導加速管性能の飛躍的向上
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26600142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 准教授 (00144387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 学行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 准教授 (70282506)
久保 毅幸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 助教 (30712666)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超伝導 / 薄膜 / 高調波 / 積層薄膜 / 超伝導加速管 |
Outline of Annual Research Achievements |
薄膜作製の専門家の協力を得て入手した数枚のシリコンウェーハ―にNbを蒸着したサンプルの評価を行うためにまず直流における超伝導特性の測定を行った。初回の測定では、フランスのサックレー研究所で製作したサンプル(NbN/MgO/Nb/SiO2/Si)は転移温度14Kと、良好な特性を示すいっぽう、国産試作一号のもの(Nb-SiとNb-SiO2-Si)は2K以上の領域では超伝導転移を示さないなど、充分な特性が出なかった。これは、初回だったため、薄膜の表面に保護層がなく、大気中に取り出した際に表面の酸化などが起こり、特性を失った可能性が懸念され、2回目の試作では薄膜作製のプロセス改良と共にキャップ層の付加を行ったところ、改良版のサンプルでは6K程度で超伝導転移を示し、若干の改善が見られた。今後のサンプルの改良に向けての情報が得られた。また、直流測定では信号の取り出しなどに技巧を要する必要がある事が判明した。 3次高調波測定に関しては、当初、手持ちのクライオスタットを低温センターに持ち込んで実験することを想定していたが、移動や予約確保など制約が多いため、当施設に於けるHeガス回収ラインの整備を行った。これにより、当施設内での液体Heの使用が可能となり、迅速な研究の推進が可能となる様になった。 また、3次高調波測定用コイルや、サンプル支持機構などの設計をすすめ、3次高調波測定セットアップの完成の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Heガス回収ラインの整備の段取りに手間取り、3次高調波測定セットアップの完成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
3次高調波測定セットアップの完成を急ぎ、測定が可能になるようにする。
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Causes of Carryover |
当初、国際会議の参加経費を計上していたが、別財源からの支出を行ったため、旅費と参加費の計上を見 送った。 また、3次高調波測定に関して、実験の実施場所の変更を行ったため、構想、設計に遅延が生じ、経費の先送りを決定した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費に関しては、H28年度の国際会議(LINAC2016)の参加旅費に回すことにした。 薄膜試料製作のための材料購入や、治具製作の費用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)