2014 Fiscal Year Research-status Report
計算力学による機能性ディスペプシアのメカニズムの解明
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26600151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 陽介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60431524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 数値シミュレーション / 消化器 / 計算力学 / バイオメカニクス / 計算バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は医用画像に基づく胃の食物流動の計算力学モデルを用いて,消化管運動と食物流動の力学的関係を明らかにし,機能性ディスペプシアのメカニズムを解明することである.特に,食物の流動異常・胃壁の応力異常を引き起こす消化管運動のパラメータ空間を特定する. 平成26年度は,Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH) 法に基づく胃内部の食物流動に対する計算力学モデルを構築した.この計算力学モデルは,医用画像データから再構築した実形状モデル,蠕動運動のパラメトリックモデル,自由表面流れの流体力学モデルからなる.質量保存則の離散化式に人工拡散項を有するSPH法を適用することで,過去のモデルに比べ高精度な計算が可能になった.また,蠕動運動を移動境界条件として与えるため,Immersed boundary 法を応用した手法を適用した.大規模パラメトリック計算を実施するため,全ての計算プロセスをGraphics Processing Unit (GPU) 計算として実装した. 流動異常を生じる消化管運動のパラメータ空間を特定するため,蠕動運動の速度,発生頻度,収縮率,食物の粘度などに対する大規模パラメトリック計算を実施した.食物の流速場,撹拌効率,胃壁に作用する応力などを解析し,例えば,幽門近傍では高い応力が胃壁に作用していることなどを明らかにした.さらにこれらと蠕動運動のパラメータとの関係を解析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模パラメトリック計算により,消化管運動のパラメータと胃内部の流動の関係が明らかになりつつある.この解析を継続することで,食物の流動異常を引き起こすパラメータ空間が特定できるものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
健常者および機能性ディスペプシア患者の形状・蠕動運動モデルを構築し,機能性ディスペプシアに関連するパラメータを特定する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度請求額とあわせ,平成27年度の研究遂行に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Modeling of flow in the stomach2014
Author(s)
Y. Imai, I. Kobayashi, T. Miyagawa, S. Ishida, T. Ishikawa, T. Yamaguchi
Organizer
4th Japan-Switzerland Workshop on Biomechanics
Place of Presentation
Shima Kanko Hotel, Mie, Japan
Year and Date
2014-09-02
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