2014 Fiscal Year Research-status Report
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26600155
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
久保田 光一 中央大学, 理工学部, 教授 (90178046)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グラフの数値処理 / 自動微分 / 高階微分 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は (1) 現在の実装方式の性能評価,(2) アルゴリズムの改良,(3) GPUを用いたプログラム設計を行う予定であった. (1)の性能評価の作業が遅れたため,代表者が所属する学科の計算機演習用のPC 教室のシステム更新と時期が重なり,性能評価については更新後の新システム PC (core i7 2.7GHz, Memory 8GB, Nvidia Quadro K3100m) 100台で行うことに変更した. これに伴い, 当該PC100 台のシステムの稼働の安定化に加えて, GPUを有効利用するためのツールである cuda sdk の導入が2015年1月となったため, 2014年秋から上記 (2) アルゴリズムの改良と, 27年度実施予定であった理論面での検討を前倒しで開始した. 具体的には, 多数のProth Primes の中から本研究で利用するのに比較的都合が良いものを選び, プログラムを作成し, 理論確認のための小規模の実験を行った. また, 近似値を用いることで, 複数の比較的小さな素数での計算結果を用いたアルゴリズムを検討中である. 近似値としてはパーマネント計算で用いられるRyser のアルゴリズムを応用した逐次的計算方法で導出する値を採用する予定であるが,これらは未だノートの段階であり, 27年度中に纏める予定である. 2014年度は上記のような状況であるので, 当初予定の機器購入等は見送り, 実質的な予算執行は無く, 余った予算は27 年度に組み入れることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初から実験環境の更新は2014年夏に予定しており, 計画では旧システム上で実験を行うはずであった. しかし, 計算機実験の実施の立ち上げが遅れたためにシステム更新が先になり, システム上での環境整備に手間取ったことが研究遂行の遅れの原因である. このことは, 理論面での検討を行う機会を積極的に設けることができたという有効な面もあったと考えるので, 全体としての達成度は「やや遅れている」と評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針はPC100台のシステムの利用を想定して実験を準備し, 本研究で提案しているアルゴリズムの限界サイズを測定する. これは当初予定の計算機実験をより高速なシステム上で行うことに相当するので,当初方針と合致する. これまでの理論面での検討を研究レポートの形でまとめる. 実際の応用上で必要な並列計算規模の推定を行うために,計算時間の定量的な測定・アルゴリズムの改良による計算時間の短縮について検討を行う.
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Causes of Carryover |
研究実績に記載したように,当初使用予定の研究代表者の所属機関のPCシステムの更新により,よりよい環境での計算機実験が可能となった.しかし,新システムおよびソフトウェアの整備に予定より時間がかかってしまったため,予定していた計算機実験を年度内に実施するよりも,アルゴリズムの改良・理論面の検討を行うことに方針を変えた.このため,備品として購入予定であったGPU搭載のPC機器を購入することなく,机上で理論面での検討を行い,経費に残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究申請時に計上した研究経費と実際に交付決定された金額とは差額があるため,申請時に予定していたGPU搭載PCの性能を落とさざるをえない状況であったが,基金としての制度を積極的に活用し,当初予定に近いGPU搭載PCを購入する経費として充当する予定である.
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