2014 Fiscal Year Research-status Report
束(Lattice)の代数的構造を用いたセルオートマトンの統一的理論の構築
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26600156
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松木平 淳太 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60231594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 大輔 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50188025)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セルオートマトン / 超離散 / Max-Min-Plus 表現 / 保存量 |
Outline of Annual Research Achievements |
セルオートマトンは独立変数のみならず、状態変数も離散的である数理モデルである。 セルオートマトンの数理構造を明らかにする試みとして、Wolfram による1次元セルオートマトンのクラス分類など、数多くの研究が行われてきている。我々のグループは超離散化の手法によって1次元ソリトンセルオートマトンが偏微分方程式と対応づけ可能であることを示してきた。その際に大きな役割りを果すのは Max-Plus 代数であり、1次元ソリトンセルオートマトンの方程式、解とも Max-Plus 代数を用いて表すことができる。1次元ソリトンセルオートマトンは無限個の保存量の存在という特徴を持つが、一般の1次元セルオートマトンは少数の保存量しか持たない。 近年我々は、粒子数を保存量として持つ1次元セルオートマトンにおいて、Max-Min-Plus 表現が重要な役割りを果すことを発見した。その結果を粒子数以外の高次の保存量を持つ1次元セルオート マトンに適用したところ、同様にMax-Min-Plus 表現が有用であることを発見した。具体的には、2次の保存量を持つ (クラスターの数が保存する) 1次元セルオートマトンの発展方程式をMax-Min-Plus 表現を得ることができ、さらにその確率化にも成功した。今後はこの結果を一般化するための研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
束と関連の深い Max-Min-Plus 表現が、高次保存量を持つ 1 次元セルオートマトンにも有用であることを発見したのは大きな成果である。研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度研究成果として得られたのは、高次保存量を持つ 1 次元セルオートマトンのうちのまだ一部に過ぎない。今後、一般論構築のために研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は理論的な研究が先行したため、数値実験用として購入を予定していた高性能計算機の導入を次年度とすることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数値実験用として購入を予定していた高性能計算機を導入する予定である。
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Research Products
(9 results)