2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26610005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 保 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20211716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保型形式 / 保型表現 / 被覆群 |
Outline of Annual Research Achievements |
被覆群の中でもっとも基本的と思われるトーラスの被覆群と特殊線形群の被覆群を考察した。また被覆群の保型形式と深い関連のあるジーゲル・アイゼンシュタイン級数のフーリエ係数などを考察した。 4月にはドイツのオーバーヴォルファッハで開かれた研究集会にオーガナイザーとして参加した。オーバーヴォルファッハでは室蘭工科大学の桂田英典との二次形式のグロスキーティング不変量に関する討論を行い、このテーマに関する共同研究を開始した。8月に韓国で開かれた整数論の国際研究集会(PANT)にオーガナイザーとして参加した。また東京で開かれた代数学シンポジウムなども参加して半整数保型形式に関する概説講演を行った。また、9月には立教大学で開かれた研究集会に参加し、概均質ベクトル空間のゼータ関数の関数等式について研究発表を行った。11月には長野県白馬村で開催された整数論の研究集会にも参加し、室蘭工科大学の桂田英典らと二次形式の理論に関する討論を行った。これらの研究集会に参加する研究者の旅費の支援も行った。さらに平成27年2月に数理解析研究所で開かれた保型形式シンポジウムに参加し、二次形式のグロス・キーティング不変量に関する研究(桂田英典との共同研究)の成果を発表した。 多変数のジーゲル・アイゼンシュタイン級数のフーリエ係数の局所因子に現れるジーゲル級数は二次形式のグロス・キーティング不変量を用いて表すことができると考えられるのでグロス・キーティング不変量に関する研究成果は今後多変数の保型形式の理論、さらには数論幾何への応用などにつながる重要な成果であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の交付申請書に記入したようにオーバーヴォルファッハで開催された研究集会に参加し、関連分野の研究者と討論を行った。また代数学シンポジウム、保型形式シンポジウムなどの研究集会に参加して、そこで研究発表を行った。 また、交付申請の記入したように上記の研究集会などに参加した研究者の旅費の支援を行い、研究うち合わせを行った。 室蘭公開大学の桂田英典とグロス・キーティング不変量に関する共同研究を開始し、得られた成果について研究集会で口頭発表を行った。 このように研究はおおむね順調に進展しているといってよいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、桂田英典とのグロス・キーティング不変量に関する共同研究の成果を論文にまとめて発表することを目標にする。 また被覆群、とくにトーラスの被覆群の内視理論の構築を目指して関連分野の研究者と討論を行いたい。 今年度は教室の専攻長を務めているという事情によりあまり出張できないので、旅費はもっぱら関連分野の研究者が研究集会等に参加するための支援に使用する。 たとえば8月には整数論サマースクール、10月には白馬整数論オータムワークショップが開催されるので、これらに参加する研究者の旅費の支援を行う。 また関連分野の研究者に京都に来てもらい、小研究集会を開催することも計画している。
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Causes of Carryover |
研究計画に必要な額をほぼ使用した後、年度末に使い切るよりも次年度に繰り越して使うほうが研究に有効に使うことができると考えられたため、次年度に繰り越して使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額はそれほど多額ではないため、次年度の旅費、物品費などと合わせて使用する。
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Research Products
(3 results)