2014 Fiscal Year Research-status Report
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26610020
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
古谷 希世子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 講師 (80189208)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発展方程式 / 経路積分 / ディラック方程式 / ベクトル値測度 / 半群 |
Outline of Annual Research Achievements |
これ迄の研究で得られた弱収束に関するトロッター・加藤の定理を用いてシュレディンガー方程式の経路積分表示をベクトル値測度(一般化された測度:連続微分可能な関数全体の空間の相対空間)で表現し、ポテンシャルが原点で特異点を持つ形式的自己共役な作用素を持つシュレディンガー方程式の解の経路積分を表現した論文の発表をした。さらに、この理論をディラック方程式に適用する研究を始めた。 1. ディラック方程式の解の作る半群をコンパクト集合上の連続関数の空間から適切なベクトル空間への連続線形作用素に一意に拡張。 2. ベクトル値測度という概念を導入しディラック方程式の解を数学の立場から厳密に定義づけられたファインマンの経路積分により積分表示をするアイデアを国際数学会 2014のサテライト:『第4回非線形解析学と最適化理論に関するアジア会議』(National Taiwan Normal University Taipei, Taiwang参加者 約210名)で発表した。 3. 30カ国近い国から約250人が参加し、約130の講演が行われた 第9回 非線形解析学と凸解析学に関する国際会議:(NACA2015)ではわれわれの理論についての最近の論文の内容を中心に紹介し物理学者から「具体的なポテンシャルについては、どの程度研究が進んでいるのか」と質問を受ける等関心を持たれた。 最近、カナダ数学会の2015年夏のセミナーへの招待も受けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これ迄の研究で得られた弱収束に関するトロッター・加藤の定理を用いてシュレディンガー方程式の経路積分表示をベクトル値測度(一般化された測度:連続微分可能な関数全体の空間の相対空間)で表現し、ポテンシャルが原点で特異点を持つ形式的自己共役な作用素を持つシュレディンガー方程式の解の経路積分を表現した論文の発表をした。さらに、この理論をディラック方程式に適用する研究を始めた 1. ディラック方程式の解の作る半群をコンパクト集合上の連続関数の空間から適切なベクトル空間への連続線形作用素に一意に拡張。 2. ベクトル値測度という概念を導入しディラック方程式の解を数学の立場から厳密に定義づけられたファインマンの経路積分により積分表示をするアイデアを国際数学会 2014のサテライト:『第4回非線形解析学と最適化理論に関するアジア会議』で発表した。 3. 第9回 非線形解析学と凸解析学に関する国際会議:(NACA2015)ではわれわれの理論についての最近の論文の内容を中心に紹介し物理学者から「具体的なポテンシャルについては、どの程度研究が進んでいるのか」と質問を受ける等関心を持たれた。 最近、カナダ数学会の2015年夏のセミナーへの招待も受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. カナダ数学会2015年夏のセミナーでの招待講演で、われわれの理論を紹介し、関係分野の研究者とディスカッションをおこなう。 2. ディラック方程式の解を数学の立場から厳密に定義づけられたファインマンの経路積分により積分表示をする理論を確立し、論文にまとめる. 3 . 経路積分により積分表示をしたディラック方程式の解の性質を研究し、具体的なポテンシャルについても研究する。 4. ディラック方程式を含む双曲型方程式を『適切』にする関数空間の研究を始める。 5. 本研究に関連し国際会議や8 月の田邊先生を囲んでの「夏の偏微分方程式セミナー」、12 月の「第41回発展方程式研究会」等に参加、成果を発表し関心を持つ特に若い研究者とディスカッションをおこなう。
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Causes of Carryover |
2名の学生を休暇村南阿蘇で行われた「第36回発展方程式若手セミナー」に参加させ、我々の研究に関係する発表をして若い研究者に関心をもってもらうことと若い研究者達が興味を持っている分野とその発展状況をリサーチすることを予定していたが、体調不良等やむおえぬ事情により2人とも参加出来なかった。 このため、学生達の旅費や参加費として二人で20万円ほど計上していたが,使用せずに終わった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議への参加や、若い人たちの研究集会への参加を補助する為に使用したい。
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Research Products
(5 results)