2014 Fiscal Year Research-status Report
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26610040
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
渕野 昌 神戸大学, その他の研究科, 教授 (30292098)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 反映原理 / 無限ゲーム / 彩色数 / リスト彩色数 / 巨大基数 / レヴィ崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標はガルビン予想に関しての研究を推進することである.ガルビン予想は,「無限半順序 X のすべての濃度 aleph 1 の部分順序が可算個の全順序の和として表されるとき,X 自身も可算個の全順序として表わせる」という主張でああるが,この主張が無矛盾であるかどうかは未解決である.この主張からラドー予想が導かれることが知られているので,ラドー予想を含む,(スーパーコンパクト基数の存在の仮定の下で) 無矛盾であることが知られている反映原理の研究の進展が,ガルビン予想の無矛盾性の是非を決定する研究への足掛りになることが予想される. 本研究の平成26年度の研究では,無限ゲームの必勝法の存在に関する反映の原理に関する研究 (渕野 昌,薄葉季路),リスト彩色数 (list chromatic number) の反映原理に関する研究 (薄葉季路),非正則基数予想 (Singular Caridnal Hypothesis) のいくつかの反映原理からの直接証明の発見 (酒井拓史) 等により,この方向での研究成果が得られている. これらの研究成果について国際学会 (ウイーン,京都),国際ワークショップ (シンガポール) 等で発表している. Bernhard Koenig による Game Reflection Principle+ は スーパーコンパクト基数をレヴィ崩壊で aleph 2 に崩壊したときに得られるモデルで成り立つ反映原理のうち最強のものと看倣せるものとなっているが,薄葉は最近この原理から list chromatic number の反映原理が導かれることを発見した.この結果は Game Reflection Principle+ とガルビン予想の関係についての考察が研究の次のステップとなる可能性を示唆しているように思える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた反映原理に関する準備的研究において,いくつかの結果が得られており,これらの結果から次年度の研究につながりうるいくつかの可能なアプローチの方向も見えきている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究では,平成26年度の研究を推し進めるとともに,ガルビン予想の無矛盾性証明に結びつく可能性のある強制法による構成法について,網羅的な研究を行なう.特に supercompact 基数より更に大きな基数の崩壊によるモデルでの状況と無限個の巨大基数の崩壊により得られるモデルで何が起こっているかを系統的に調べる.また,集合の stationarity の反映に関する諸原理と概自由代数の自由性に関する結果の間にある類似性の背後にある関係を記述する結果を探る.
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Causes of Carryover |
平成26年度に行った海外出張,海外研究滞在のうちのいくつかが先方の招待で滞在費等が先方負担になったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
連携研究者の旅費の援助が計画時の見つもりより多く必要になる予定であることと,平成26年後期に時間の都合がつくため,当初の予定より長く海外出張,海外研究滞在を行なう予定である.
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