2014 Fiscal Year Research-status Report
新型半導体光増幅素子によるパルサーの高時間分解能可視光観測
Project/Area Number |
26610054
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中森 健之 山形大学, 理学部, 准教授 (30531876)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 半導体光センサ / MPPC / 可視光観測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 mm角・100ミクロンピッチの半導体光素子MPPCの読み出し回路を制作し、-20℃までの低温駆動の確認と、各温度における増幅率の電圧依存性やダークノイズレートの評価を行った。平行して、ペルチェ素子による冷却システムの開発を行った。試行錯誤ののち、ペルチェ素子を3段組みあわせたシステムを構築することで、外気温0℃環境下に置かれたMPPC素子を、-25℃にまで冷却することに成功した。
MPPCからパルスが発生した相対時刻を10マイクロ秒の精度で計測する専用の回路を制作し、動作を確認した。また別途GPSによる絶対時刻取得系を立ち上げた。GPSの時刻精度は1マイクロ秒以下であり、これらを組み合わせることで天体からの光子到達時刻を高精度で測定する回路系を開発した。
パルサー観測に用いるACF光学系の35 cm望遠鏡を導入し、既存の赤道儀に搭載することで天体の追尾観測が実施可能であることを確認した。また開発したセンサを取り付けるための治具を制作し、望遠鏡との機械的な接続が問題ないことを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していたハードウェアのプロトタイプ開発が予定通り終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
カニパルサーの観測を行い、高時間分解能観測を実証する。平行して、MPPC素子の改良を計画しており、ノイズレートのさらなる低下をめざし、観測感度の向上を狙う。
|
Research Products
(1 results)