2014 Fiscal Year Research-status Report
原子核乾板デジタルアーカイブス計画 -DONUT、RUNJOB乾板による基礎開発
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26610067
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (90183889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 雅一 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20232415)
児玉 康一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70211901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子核乾板 / アーカイブス / 自動飛跡読取装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度より運用を開始した超高速原子核乾板読み取り装置HTSを用いて、過去に気球実験や加速器実験に用いいられ貴重な反応を記録している原子核乾板を読み出しデジタル化し、その有効活用を図るための基礎研究を行なっている。 2014年度は日露共同気球実験RUNJOBの乾板の読み取り試験を中心に行なった。過去に使用された乾板の厚みは必ずしもHTSに最適なものとはなっていないが、再度水に浸し、含有グリセリン量を調整することで膜厚の再調整が可能である。 処理前35ミクロン程度であった膜厚を再膨潤により60ミクロン以上に膨らませることによって、十分な検出効率得ることが出来ることを確認した。RUNJJOB気球フライトの1チェンバーを目安に再膨潤を行ない読み取り再構成試験を試みるための基礎を確立したと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験後年月を経た乾板でも再膨潤により膜厚調整可能である事を明確に出来たことによって、まずは読み取りのための条件を整えることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
RUNJOBの1チェンバーをめどにフィルムの読み出し、再構成を試みる。経験的に温度変化や気圧変化の激しい気球実験では、フィルム間がスリップし、飛跡のつなぎ条件が時間とともに変化する現象が起こっていると考えられるが、複数のつなぎ条件をクリアーにすることによって、時間情報を得ることが出来るかどうかなども検討し、デジタルデーターの最初の公開の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
膨潤試験が年度末までかかったためにグリセリンなどの薬品の経費の繰り越しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月中に使用する。
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Research Products
(4 results)