2016 Fiscal Year Annual Research Report
High-energy particle science by using Megagauss techniques
Project/Area Number |
26610074
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中村 英滋 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (70311131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金道 浩一 東京大学, 物性研究所, 教授 (20205058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高エネルギー粒子科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、基礎物理研究や核融合研究において粒子線加速器技術が発展し、TeV 級高エネルギー粒子線や 1 MW という大強度ビームを可能とする新たなエネルギーフロンティアを開拓しつつある。医療、ナノ材料開発等産業分野へも大規模に応用展開されつつあり、TTPS、FFAG、AIA、IS等様々な新型加速器が開発され成果が出始めている。これらの発展を築いた主たる基盤技術の1つに超伝導技術があり、優れた電力効率で安定した比較的強い電磁場の形成が可能となった。他方、高エネルギー粒子制御にはパルス磁場も重要な役割を担う。超伝導電磁石は、冷却機構や放射線防護のための付加的構造物が必要であり、高エネルギー粒子制御としては 10 T 近傍が実用的限界となる。一方、パルス磁場は、古来より 3,000 T 近い超強磁場を実用的な空間に展開させる事が可能であり、超伝導技術では成し得ない領域の強磁場研究が期待できる。超強磁場技術では爆縮・濃縮型が主たる原理であり、繰り返し使用が難しい。これに対して、国内では東大物性研を筆頭に室内最高 700 T を達成し、非破壊型においても 50 T 級が実用化された。近年の高エネルギー粒子加速器を用いた研究は、統計学的手法に基づく研究が主体となってきており装置には高安定度が求められているため、電磁力による破壊を回避すべく、電磁石は10テスラ未満のものが殆どであり、更なる高エネルギー化の一つの壁ともなっている。本研究課題では、強磁場・超強磁場の適用の可能性を様々な観点から検討し、加速器そのもの原理再構築も含め、飛躍的な高エネルギー化の道を拓く指針を構築することを目的とする。理論的研究に加え、50テスラ電磁石試作器の製作と評価試験を完了し、実用化への重要な情報を得た。当該年度にそれらの成果をまとめ、その一部を専門学術誌の特集号に投稿し、5編全てが掲載された。
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