2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子生物工学に基づくホタル生物発光の設計制御と定量計測
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26610081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40251491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋山 みやび 東京大学, 物性研究所, 研究員 (90399311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物発光 / 酵素 / ルシフェラーゼ / ルシフェリン / 分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、前年度からの開発を完成させ、絶対値定量計測装置の対応波長域を400nmまでカバーできるように装置と校正ツールの開発を行い、15%程度の不確かさで発光絶対量を決定できるようになった。陸上生物であるホタル生物発光は、発光ピークが560nm-600nmのものが代表的であるが、他の生物発光、特に海洋生物の場合には、青色の発光系が多く、それらに対応できる体制が整った。実際にこの系を用いて、遺伝子工学的手法を用いて生合成された、オワンクラゲの発光系であるイクオリンについて、定量計測を行った。遺伝子工学的に作られたイクオリンは、アミノ酸残基配列が正確にわかるので、1分子あたりの各種のアミノ酸残基含有量がわかる。アミノ酸分析を行うことで、測定に用いた試料溶液のイクオリン濃度を正確に定量した。これらの実験から、イクオリン生物発光の量子収率を決定することが出来た。下村らの測定結果との比較・検証を行った。 生物発光制御機構の理解に向けて、ホタル生物発光のルシフェラーゼやオワンクラゲ生物発光のイクオリンなどのタンパク質酵素の動的な構造を、分子動力学計算によりシミュレートした。また、一方で、反応基質であるルシフェリンやセレンテラジンの反応中間体や反応生成物に対する量子化学計算を水溶液中の場合について行った。水和効果すなわち水分子の配置と水素結合の効果をpH依存性も含めて取り入れるため、分極連続体媒質モデルを用いて行う量子化学計算結果に対して、モデル分子の実験結果として得られるpKaの値を用いて補正を行うアプローチを試み、無矛盾の結果を得た。理論的妥当性の検証や、タンパク質背景を含めた計算を進めてゆく前段階の試行研究として有意義であった。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] Calibration standards and measurement accuracy of absolute electroluminescence and internal properties in multi-junction and arrayed solar cells2016
Author(s)
Masahiro Yoshita, Lin Zhu, Changsu Kim, Toshimitsu Mochizuki, Tetsuya Nakamura, Mitsuru Imaizumi, Shaoqiang Chen, Hidehiro Kubota, Yoshihiko Kanemitsu, and Hidefumi Akiyama
Organizer
SPIE Photonics West San Francisco
Place of Presentation
San Francisco, USA
Year and Date
2016-02-13 – 2016-02-18
Invited
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[Presentation] イクオリン生物発光の量子収率測定2015
Author(s)
挾間優治, 東暉舜, 倉田麻貴, 樋山みやび, 吉田正裕, 久保田英博, 井上敏, 秋山英文
Organizer
日本物理学会2015年秋季大会
Place of Presentation
関西大学 千里山キャンパス(大阪府吹田市山手町)
Year and Date
2015-09-16 – 2015-09-17
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