2015 Fiscal Year Annual Research Report
液体-液体相転移のゆらぎに対する光誘起効果~X線測定手法の開発
Project/Area Number |
26610116
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶原 行夫 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (20402654)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゆらぎ / 液体-液体相転移 / 非弾性X線散乱 / 超音波 / 高圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定を変更して、今年度は低温液体の「ゆらぎ」測定(超音波および非弾性X線散乱=IXSによる音速測定)を行った。 (1)水-プロパノール混合系の超音波測定:前年度作成した低温液体用超音波装置を用いて、水-2プロパノール混合系の超音波測定を行った。メタノール、エタノールとの混合系同様、音速の組成依存性に極大が現れた。また極大が現れるモル濃度は、系統的にアルキル基の長さが長くなるほど、小さくなることがわかった。 (2)液体水-メタノール混合系のIXS測定:大型放射光施設SPring-8を利用してIXS測定を行った。超音波音速とは異なり、得られたIXS音速は組成・温度に対してほぼ直線的な振る舞いを示した。また、我々が「ゆらぎ」の指標として定義する、速い音速度合い(IXS音速/超音波音速の比)は、低メタノール・低温領域ほど大きな値を示し、本系の音波異常が、水(単体)の過冷却域に存在する液体-液体相転移臨界点のゆらぎによるものであるとの説を支持する結果となった。 (3)液体水-グリセロール混合系のIXS測定:常温での組成依存性を調査した。得られたIXS音速は、超音波音速とは異なり、組成によらずほぼ一定値を示した。結果、速い音速度合いは、低グリセロールほど大きな値を示し、上記一価アルコール混合系と同じ解釈が出来ることがわかった。 (3)低温高圧液体用X線測定容器の開発:-100℃、500気圧程度で使用可能な高圧容器の開発を行った。
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Research Products
(13 results)