2016 Fiscal Year Annual Research Report
Link between microwave and optical frequency via a highly stable optical cavity
Project/Area Number |
26610121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 淳 京都大学, 理学研究科, 特定准教授 (50579753)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / 精密分光実験 / 光コム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高安定な光共振器の共振周波数がほぼ等間隔に並ぶことに着目し、これを"光共振器型の光コム"として活用することを目的とした研究である。特に共振周波数間隔(Free Spectral Range, FSR)を高精度に評価する手法として、FiberタイプのEOMを用いて、FSR周波数の多数のサイドバンドを誘起する手法を提案した。 本研究では実際に、FiberタイプのEOMを用いてFSRの高精度な評価を実現し、2THzほどの周波数差を持つ2本のレーザーの周波数差を1kHzのオーダーで評価することに成功した。またこの手法を用いて実際にKRb分子のX1Σ+,v=0とv=1の振動準位間隔を3kHzの精度で評価することに成功した。これによって、これまでの波長計を用いた評価方法に比べて5桁も高精度に振動準位間隔を決定することに成功し、この手法の有用性を示すことができた。 上記の成果は2つの光周波数差に対する評価であったが、最終年度は1つの光の絶対周波数評価に向けた研究を進めることを目標として研究を進めた。私の所属が変更になったこともあり、絶対周波数評価に用いる遷移をKRb分子からYb原子へと変更した。特にYb原子の1S0-3P0遷移は光格子時計で用いられているなど、その絶対周波数も高精度に知られていることから、この遷移の遷移周波数の評価を目標とした。この目標に向けて最終年度内に新しくYb原子の装置を立ち上げを行った。魔法波長(759nm)光格子内に極低温Yb原子をトラップし、1S0-3P0遷移(578nm)の観測に成功し、遷移スペクトルの線幅として1kHz弱の分光測定を実現した。今後はこの遷移の絶対周波数を高安定光共振器を用いて評価する方針である。
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