2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26610127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石島 秋彦 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80301216)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は,新しい照明システム,アキシコンレンズを用いた斜光照明システムを開発することにより,細胞の上面のごく一部のみを励起することが可能になる.分解能の高いビーズアッセイ法と組み合わせることにより,高分解能の回転・蛍光の同時観察が可能となり,べん毛モーターの回転方向転換メカニズムの解明に迫ることが可能となる. 当初には,新しい局所励起システムとして,アキシコンレンズを用いた光学系を利用することにより,細胞の上面の近傍のみの局所励起システムを提案した.しかし,その光学設計の難しさ,調整の微妙さを鑑みて,まずは,一般的な照明を用いてのテストを行った.しかし,普通のレーザーの強度プロファイルはガウス型となっているため,かすり照明としては適さない.そこで,ビーム系を広げ,中央部のみをマスクで投下させた光線を用いた.これにより,完全ではないがフラットトップ型の光線の作成に成功した.現在,この照明方法と,アキシコンレンズを用いた光学系とを平行して開発を行っている.かすり照明を作成する上で,いくつかの条件を見いだすことが必要となる.レーザービーム径,照射角度,ビーム平行度,菌体のと距離,などである.それぞれの条件が,相互に影響し合っているため,最適解をまだ見いだせていないが,今後最適な条件を見いだす予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であったアキシコンレンズの使用は現在優先度を下げている.その理由は,その光学設計の難しさ,調整の微妙さなどである.そこでまずは,一般的な照明を用いてのテストを行った.しかし,普通のレーザーの強度プロファイルはガウス型となっているため,かすり照明としては適さない.そこで,ビーム系を広げ,中央部のみをマスクで投下させた光線を用いた.これにより,完全ではないがフラットトップ型の光線の作成に成功した.現在,この照明方法と,アキシコンレンズを用いた光学系とを平行して開発を行っている.かすり照明を作成する上で,いくつかの条件を見いだすことが必要となる.レーザービーム径,照射角度,ビーム平行度,菌体のと距離,などである.それぞれの条件が,相互に影響し合っているため,最適解をまだ見いだせていないが,今後最適な条件を見いだす予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,マスクを用いた光学系,アキシコンレンズを用いた光学系両方をトライする予定である.その中から最適解を見いだして行く予定である. さらに,菌体自体の最適化も図らなくてはならない.従来は基本的に菌体上部のモーターの回転を計測してきた.しかしながら菌体最上部に存在するモーターではなく,斜め方向に存在するモーターを計測する場合がある.その際には回転は楕円となって計測され,PC上で楕円補正を行って回転計測を行ってきた.もちろん最上部に存在するモーターを計測するのが一番精度が高いが,かすり照明の場合にはむしろ斜めの存在するモーターの方が最適な照明位置となる.しかしながら,モーターの軸方向と照明方向が直行する場合が最適ではあるが,必ずしもそのようにうまくいくとは限らない.そこで,回転ステージを導入して菌体と照明とを最適化できる光学系を導入していきたい.
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Causes of Carryover |
申請者は,昨年4月に東北大学から大阪大学に移動した.その際,東北大学に在籍している大学院生はそのまま東北大に残り研究を継続することにした.新たに阪大に,光学系の研究システムを立ち上げることとなった.当初の計画ではそのまま継続して阪大で研究を行える予定であったが,再構築が思いの外時間がかかり,予定通りの研究計画を遂行することが困難になった.そこで,予算を繰り越し,研究を遂行させたい.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は,マスクを用いた光学系,アキシコンレンズを用いた光学系両方をトライする予定である.その中から最適解を見いだして行く予定である. さらに,菌体自体の最適化も図らなくてはならない.従来は基本的に菌体上部のモーターの回転を計測してきた.しかしながら菌体最上部に存在するモーターではなく,斜め方向に存在するモーターを計測する場合がある.その際には回転は楕円となって計測され,PC上で楕円補正を行って回転計測を行ってきた.もちろん最上部に存在するモーターを計測するのが一番精度が高いが,かすり照明の場合にはむしろ斜めの存在するモーターの方が最適な照明位置となる.しかしながら,モーターの軸方向と照明方向が直行する場合が最適ではあるが,必ずしもそのようにうまくいくとは限らない.そこで,回転ステージを導入して菌体と照明とを最適化できる光学系を導入していきたい.
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