2014 Fiscal Year Research-status Report
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26610154
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 裕 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 主任技術研究員 (00359150)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 絶対塩分 / 屈折率 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験室用の絶対塩分測定装置の試作準備を行った。市販の分光干渉レーザー変位計(厚み測定タイプ)を購入した。この変位計と光学部品で構成される測定セルを組み合わせることで、絶対塩分測定装置の実現を目指している。平成27年度に予定している測定セルの作成に備えて、簡易的な測定セルを用いた絶対塩分測定の実現可能性を検証するための実験を行った。また、最適な光学部品の選定を検討した。簡易セルとして光路長4cmのセルを用意した。セル上部は大気開放させ、空調の効いた室温下でそれ以上の温度制御は行わなかった。この簡易セルを用いて、純水、および、塩分測定用標準海水の測定を行った。測定セルは大気開放のため、蒸発による塩分の増加が観測された。標準海水の3分間の測定結果から見積もった絶対塩分の増加率は1分あたり0.73 mg/kgであり、振動式密度計による1時間に10回の海水密度測定結果から求めた絶対塩分の増加率と同じ結果が得られた。蒸発による塩分増加を差し引いた絶対塩分の測定の標準偏差は0.75 mg/kgであった。この測定のばらつきのかなりの部分は、光路長の一部分が空気中を通過することによる室温のゆらぎに起因すると考えられる。測定値を1分程度平均すると標準偏差0.1 mg/kgが得られた。蒸発の影響を受けない半密閉的な測定セルの設計と精密な温度制御により、絶対塩分測定の目標精度(0.1 mg/kg)の達成が十分期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販の分光干渉レーザー変位計を用いて、海水の絶対塩分を高精度に測定可能なことが検証できた。また、測定セルに必要な光学部品の適切な選定に関する知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、予定通り測定セルを作成し絶対塩分測定装置を試作する。実験室による純水・標準海水の測定から、装置の性能(分解能、繰り返し精度、線形性、再現性、安定性)を評価する。また、特許出願を検討するとともに、得られた成果を論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
絶対塩分計試作の準備として業者との打ち合わせ旅費を予定していたが、使用装置の問題等から次年度に行うことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
絶対塩分計の試作の準備として業者との打ち合わせ旅費に使用する。
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