2015 Fiscal Year Research-status Report
前人未踏の熱圏大気観測への挑戦:ヘリウム共鳴散乱ライダーの基礎研究
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26610157
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
津田 卓雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (90444421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 共鳴散乱ライダー / 熱圏 / ヘリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙天気研究や地球気候研究の為にも熱圏高度を網羅する大気観測の重要性が高まっているが,有効な観測手段が欠如している.本課題では,前人未到の熱圏大気(200-1,000 km)観測を世界に先駆けて実現する為,ヘリウムの共鳴線を利用したライダー観測について基礎研究を行う.
本年度は,前年度に進めた観測シミュレーションについて,より詳細な検討を行った.また,熱圏高度をカバーする為にレンジ範囲を拡張した受信機システムの検討と開発を進め,従来システムのレンジ範囲 0-250 km に対して,レンジ範囲 0-1,920 km のシステムの試作に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発中の広レンジ範囲の受信機システムの試作は順調であり,次年度には運用試験を実施可能な見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
広レンジ範囲の受信機システムの試作を完了させ,運用試験を実施する.また,受信光学系や送信光学系の基礎検討と部分的な技術開発なども可能な限り実施する.以上の結果と観測シミュレーション結果を踏まえ,熱圏ライダー観測の実現に向けた課題をまとめていく.
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Causes of Carryover |
試作や技術開発が本格化する次年度の為に予算の一部を温存した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試作や技術開発に予算を投入していく.
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