2014 Fiscal Year Research-status Report
非干渉散乱レーダーの新技術を用いた超高層大気の立体観測
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26610158
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
小川 泰信 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (00362210)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地球惑星電離圏 / レーダー工学 / 非干渉散乱 / 超高層大気 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の非干渉散乱レーダー計画(EISCAT_3D)では、超高層大気の3次元立体観測を目指している。その実現には、複数受信局の多ビーム観測手法を確立することが重要である。本研究の目的は、EISCAT_3Dのプロトタイプ受信局(KAIRA)を用いて、現行の欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーから2方向に送信される電波を分離して検出する手法を開発し、その有用性を実験的に明らかにすることである。 平成26年度には、現行のEISCAT VHFレーダーを用いて電波を2方向に送信し、それらの電波をKAIRAにより分離して検出する実験を2014年9月に実施した。その得られたデータを基に、ISレーダービームを複数受信するシステムとしての有用性を調査した。その結果、想定されるエラーの範囲で、複数ビームのデータが取得できていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現行のレーダーを用いた実験を予定通り実施し、良質な試験データを取得することができた。さらに、ポスト・ビームステアリング方式とビーム高速走査方式との比較内容について、共同研究者と様々な観点から議論と検討を重ねることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に得られた試験データの解析を更に進めると共に、マルチビーム観測手法及びその大量データ取得方法の改良や効率化を進める。それらにより、多点フェーズドアレイ方式観測の実現に必要なレーダー工学及び、信号処理、データ通信技術を検証・確立することを目指す。
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Causes of Carryover |
共同研究者との打ち合わせの結果、次年度に2回目の北欧出張をすることになったため、そのための旅費を次年度に含めるようにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に得られた試験データの解析を更に進めるために必要な大容量データ記録装置を構築する。さらに、マルチビーム観測手法及びその大量データ取得方法の改良や効率化を進めるため、共同研究者のいる北欧の研究機関に出張し、共同研究者と議論や検討を重ねる。
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Research Products
(2 results)