2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26610161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成瀬 元 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 進午 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70359199)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 西南日本 / 四国海盆 / タービダイト / 混濁流 / 砕屑物供給 / 日本海拡大 / フィリピン海プレート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中新世にフィリピン海プレートの四国海盆内に発達した可能性のある巨大な海底扇状地の実在性と特性を探ろうとするものである.残念ながら探査船による地震波探査は航海が採択されなかったため,実施することができなかった.しかしながら,既存の地震波探査断面を再解釈することにより,四国海盆には南海トラフ付近で厚さ約300 mで幅190 kmの中新世の海底扇状地が埋もれていることが明らかになった.この海底扇状地は南に向かって舌状に伸長し,日本列島から約600 km離れた地点であっても厚さ約50 m,幅50 kmの規模を保っている極めて大規模なものである.混濁流が作る地形について理論的研究を進めた結果,泥を十分に含む(>60 %)混濁流であれば自然堤防付き海底チャネルは数百km以上にわたって十分に伸長できることが明らかになった.すなわち,四国海盆の海底扇状地が発達した時期には,供給源となった西南日本島弧から泥質堆積物を多く含む砕屑物が大量に供給されていたことが推定される.このことは,中新世の15-11 Maに四国海盆全域で半遠洋性泥の堆積速度が急上昇したことと整合的である.すなわち,15-11 Maにおける西南日本は,何らかの理由で圧縮応力場に置かれ,急激に隆起していた可能性が高い.今後,探査船航海の採択を受けて新たな地震波探査断面を取得することができれば,定量的に砕屑物供給量を推定し,そこから西南日本の隆起量を推定することも可能になるだろう.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Stratigraphic variations in lacustrine sediment gravity-flow deposits intercalated in varved diatomite: An example from the Hiruzenbara Formation, Okayama Prefecture, southwest Japan2015
Author(s)
Sasaki, H., Sasaki, Y., Saito-Kato, M., Naruse, H., Yumi, M., & Ishihara, Y.
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Journal Title
Quarternary International
Volume: 397
Pages: 208-222
DOI
Peer Reviewed
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