2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of recycled crustal materials in kimberlites: An integrated study of eclogitic diamonds and zircons
Project/Area Number |
26610163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻森 樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00436833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キンバレー岩 / ダイヤモンド / E型ダイヤモンド / ざくろ石 / 超高圧変成作用 / 超高圧鉱物 / シベリア地塊 / ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、キンバレー岩に産するE型ダイヤモンド巨晶に関して、E型ダイヤモンドが閉じこめた超高圧「再生地殻物質」を高分解能分析電子顕微鏡、顕微ラマン・赤外線分光装置を用いて徹底記載・カタログ化を行う。特に、E型ダイヤモンド中の高圧鉱物の化学組成・共生関係の多様性と規則性からマントル深部に達した地殻物質の性格を明らかにし(未知鉱物の探査も含む)、マントル深部に混在明日過去の地殻物質の異動と再生地殻物質がダイヤモンドに取り込まれるまでの固体地球プロセスを読む。最終年度は、初年度・次年度に引き続き、ロシア科学アカデミー・シベリア支部ソボレフ地質学鉱物学研究所において樹脂包埋され、(011)面に平行に摩滅研磨したシベリア地塊のキンバレー岩パイプ中のE型ダイヤモンドの包有物について解析を進めた。現時点で未知鉱物や異常な化学組成の珪酸塩鉱物の包有は確認されていない。樹脂包埋のダイヤモンド巨晶の内部構造の特徴付けと、それに含まれるざくろ石包有物を中心に鉱物学的な記載を行い、 比較のため、キンバレー岩パイプから採集されたざくろ石のうち、地殻起源のエクロジャイトと同等の起源と考えられる非マントル起源ざくろ石の解析を進めた。さらに、再生地殻物質とその場地殻物質との違いを明確にするためキンバレー岩パイプに含まれるシベリア地塊の最下部地殻起源の高圧グラニュライト捕獲岩の変成岩岩石学的な検討を行った。ダイヤモンド巨晶に関する解析結果を発表するには引き続き標本数を増やすなどの継続解析が必要であるが、本研究課題に関して、世界のキンバレー岩の噴出年代に解釈を加えて論文化した。また、含ダイヤモンドマントル捕獲岩の解析結果を論文にまとめて投稿を終えた。
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