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2014 Fiscal Year Research-status Report

軟体動物の貝殻色素:その正体から模様形成へ

Research Project

Project/Area Number 26610165
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

遠藤 一佳  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80251411)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 筒井・石川 牧子(石川牧子)  ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 准教授 (00446577)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords貝類 / 生体色素 / パターン形成
Outline of Annual Research Achievements

貝殻をモデルとして、動物の色彩パターン形成の制御機構の解明を目指して研究を行った。まず、ラマン分光分析で貝殻色素の構造推定を行い、次に色彩パターン形成の現場となる外套膜組織において、発現している全遺伝子を網羅的に解析する手法(トランスクリプトーム解析)により研究を進めた。本年度は、貝殻の模様形成時には、貝殻の有色部分と無色部分を作る外套膜の組織の中でどのような遺伝子に発現量の違いが見られるかを確かめることを目的として、貝殻形成の場である外套膜組織において、発現遺伝子の網羅的解析を行った。モデルとして、イタヤガイ科およびマルスダレガイ科の貝を用い、貝殻の有色部分と無色部分を作る外套膜の組織から抽出したトータルRNAそれぞれからmRNAを精製し、cDNAライブラリを作成し、次世代シーケンサーを用いて発現している遺伝子の網羅的な配列情報を得ることができた。
また、貝殻の色彩パターンを再現する数理モデルの構築のため、様々な色彩パターンの貝類について写真撮影を行い、貝殻の模様の代表的な色調について、反射光のスペクトル情報を測定した。その上で、撮影した写真の色情報と、反射光のスペクトル情報、分光分析から明らかとなった色素化合物の構造とを照合させた。それらをもとにして、単純な色彩パターンを持つものから順に、既存の色素をモルフォゲンとした反応拡散モデルから、色素の分解酵素をモルフォゲンとした反応拡散モデルへの改変を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、当初の計画通り、貝殻の有色部分と無色部分を作る外套膜の組織で発現している遺伝子の網羅的な配列情報を得ることができた。このデータベースを、産生タンパク質の網羅的解析のライブラリーとすることを目指しており、先に産生タンパク質の解析を進めていたが、トランスクリプトーム解析のデータ処理の進捗が遅れ、両データの照合に至っていない部分は遅れている。また、年度途中に分担研究者の所属移動があったが、分光分析やスペクトル解析等、分子実験の伴わない作業は進められている。

Strategy for Future Research Activity

まずはトランスクリプトーム解析のデータ処理を最優先とし、質量分析計によるデータを得ている外套膜の産生タンパク質との照合を進める。また、目的とするポリエン色素の分解酵素について、外套膜の免疫染色を行い、その局在を確認する。また、当初計画していた機能解析のモデル生物としてはモノアラガイを想定し、外套膜のトランスクリプトーム解析を進め、色素がポリエン化合物であることも確認してある。モノアラガイに加え、卵の扱いの容易な数種の貝類についても色素化合物を確認し、ノックダウン実験を検討する。

Causes of Carryover

年度途中に、主に実験を担当していた研究分担者の異動が決まり、引越しや新しい実験室のセットアップ等に時間がかかり、一時研究のための実験が中断されたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度行う予定であった実験を行うために使用する計画である。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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