2015 Fiscal Year Annual Research Report
内熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いた地球惑星物質科学の展開
Project/Area Number |
26610171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三部 賢治 東京大学, 地震研究所, 助教 (10372426)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内熱式 / ダイヤモンドアンビルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
地球惑星内部の構造やダイナミクス,マグマの生成や地球内部進化等を理解するため,内熱式のダイヤモンドアンビルセルを用いて高温高圧実験を行っている.内熱式ダイヤモンドアンビルセルとは,サンプルと供に一対のダイヤモンドアンビルの間に組み込んだ金属箔ヒーターに電圧をかけて加熱する実験法であり,レーザー加熱式よりも長時間均質にサンプルを加熱することが可能であるという特長をもち,外熱抵抗加熱式と比べてより高温を発生することが可能であるという利点をもつ装置である. 本年度は主に,前年度までに組み上げたヒーター作製装置兼温度測定システムを用いて,実際に内熱式ダイヤモンドアンビルセルでの加熱試験を行った.加熱したサンプルからの熱放射は,対物レンズや光ファイバーなどを通じて分光器へ送り込まれ,CCDカメラにより受け取ったスペクトルは最終的にパソコンに取り込まれる.パソコンではそのスペクトルを黒体輻射として近似してフィッティングを行い,サンプルの温度が得られる. 本年度はまた,ダイヤモンドアンビルセル本体を置く試料ステージの改良を行い,サンプルの温度測定用を行った直後に大きな手間をかけずにそのままサンプルからのラマンスペクトルの信号を取れるというシステムにすることができた.これにより,実験中の温度や圧力を決めながら,その条件下でのサンプルの相の状態をラマンスペクトルで判別することができるため,相境界を決める等の実験が正確に行えるようになった. 今後,このシステムを用いて,地球内部の物質の高温高圧下での様々な物理的及び化学的性質を調べるための研究を続けていきたい.
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Research Products
(1 results)