2015 Fiscal Year Research-status Report
Balmer-α線を用いた超高温プラズマ中陽子温度揺動の時空間構造の計測
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26610191
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 恵介 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10637705)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中性粒子 / イオン流速 / 高ダイナミックレンジ分光計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、平成26年度に開発した分光光学系の改良、実際の高温プラズマ発光の計測、計測データの解析を行った。
分光光学系の改良:発光の導入に用いている光ファイババンドル(コア径 400μm、500 μmピッチ)と、光検出器として用いている64ch光電子増倍管の素子ピッチ(2.3 mm)を合わせるため、結像レンズ(焦点距離1000 mm)と光検出器との間に、凹レンズ(焦点距離-125.0 mm)を導入した。それにより、結像のロスを最小化し、スループットを2割程度向上させた。 高温プラズマ発光の計測:磁気軸磁場強度1.0Tのもとで生成されたLHDプラズマに対し、上記分光システムを適用した。電磁流体不安定性によるプラズマの磁場揺動に同期して、Balmer-α線スペクトルの各波長位置における発光強度も変動することが明らかになった。 計測データの解析:各波長域における発光強度の変動を理解するため、各時刻におけるBalmer-α線スペクトルを3つのガウス関数の線形和で近似した。近似により得られたガウス関数の中心波長は磁場揺動に同期して上下することを明らかにした。これは、水素イオンのポロイダル流速が揺動に同期して変動していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光学システムの高スループット化を優先したため、当初予定していた空間掃引システムは実現できなかった。 その他の目標であった、複数視線を用いた高速高ダイナミックレンジ分光計測は実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、計測データの詳細な解析を行う。 特に、磁場とイオンフローの関係に関して、磁場の向きや大きさの異なる実験結果と比較することにより、その相関を確かめる。
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Causes of Carryover |
光学設計の簡素化により、余剰金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文出版費として使用する。
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Research Products
(3 results)