2015 Fiscal Year Research-status Report
非選択励起多周波混合パルスEPR法によるタンパク質の構造解明
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26620003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三野 広幸 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70300902)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EPR / ELDOR / 多周波共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では新しいパルスEPR法として非選択励起多周波混合を開発し、この手法をタンパク質一般に適用しうる汎用測定法とすることを目的とし、次の2点を目指している。①これまで困難であった低濃度での生物試料のパルスEPRでの測定を実現可能にする。②現在普及しているPELDOR,ESEEMなど様々なEPR手法においてこの手法を適用し有効性を評価する。 【多周波混合用マイクロ波ブリッジの制作】 本研究では多周波のマイクロ波を導入を行っているが、導入し、EPRブリッジ内部に組み込んだマイクロ波素子により装置及び測定系の安定性に問題のでることがわかっている。 そのため、本年度は導入するマイクロ波の数を減らし、マイクロ波発生装置を安定性のよい機器に交換した。安定な2台のマイクロ波外部発振器をEPRブリッジ外部よりミキサーを通して導入することにより、マイクロ波源を合計3つに絞り込んで、装置の安定性を高めた上での研究をすすめた。 【生物試料への応用】 新しい手法は広くタンパク質研究に用いて応用可能であることを実証する。 そのため個別の問題を解決する。本年度は低濃度での光化学系Ⅱタンパク質複合体の測定を行うことができている。 多周波数のマイクロ波を使ったPELDOR信号を測定できている。ただし、当初の見積もりよりは低いため原因を明らかにするためにさらに研究を進めている。 また、並行して時計タンパクKaiBへの多周波EPR適用もすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定系については改良を行いながら進めている。 試料系に関しては順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
外部マイクロ波発振器の安定性に問題があるため、より安定性の高い設備に交換し研究を進める。
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Research Products
(12 results)