2015 Fiscal Year Annual Research Report
原子精度での合金クラスターの精密合成とその複合効果の解明
Project/Area Number |
26620016
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
根岸 雄一 東京理科大学, 理学部, 准教授 (20332182)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 合金クラスター / 精密分離 / 構造ー物性相関 / 金クラスター / 銀ドーピング / 高速液体クロマトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
チオラート保護金クラスターAun(SR)mに様々な機能を付与する手法として、銀や銅などの異原子をドープすることが知られている。しかし、一般的に異原子ドープで得られる合金クラスターはドープ数に分布を持った混合物が調製され、ドープ数を原子レベルで制御して精密合成することは困難である。従って、ドープ数が規定された合金クラスターを精密合成するためには、混合物を高分解能で分離する手法を確立する必要がある。私たちは分離手段として、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)に着目し、異原子ドープ数毎の分離の検討を行った。ドープ原子数に分布を持った混合物を調製した後、それをRP-HPLCにより分離した。クロマトグラム中には、いくつかの明瞭なピークが観測された。各保持時間のピークを分取し、ESI-質量分析により評価した。その結果、各フラクションにはそれぞれ、Au36Ag2(SC2H4Ph)24、Au37Ag(SC2H4Ph)24、Au38(SC2H4Ph)24に帰属されるピークのみが含まれていることが分かった。このことは、合金クラスター混合物が高分解能でドープ数毎に分離されたことを示している。次に、各Agドープクラスターの電子構造の評価を行うため、各成分のUV-Vis-NIR吸収スペクトルを測定した。Agがより多くドープされるほど、各ピーク位置が高エネルギー側にシフトしていることが確認でき、Ag一原子の変化がクラスターの電子構造に与える影響が示された。以上のように、合金クラスターをそのドープ数毎に分離することに初めて成功し、合金クラスターの組成と電子構造の相関を初めて明らかにすることに成功した。
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[Presentation] 根岸雄一2015
Author(s)
チオラート保護金クラスターの高分解能分離
Organizer
第64回高分子討論会
Place of Presentation
東北大学川内キャンパス
Year and Date
2015-09-15 – 2015-09-15
Invited
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