2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Topological Large Molecules with Specified Structures and Sequence Information
Project/Area Number |
26620025
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 敬 東京工業大学, 理学院, 教授 (70262144)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超分子化学 / ロタキサン / セレネニルスルフィド / 動的共有結合 / 分子シャトル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、ロタキサンを温和な条件で合成するための新規な手法として、高配位ヒドロシランの特性を活用したエンドキャッピング法、およびセレネニルスルフィド結合を動的共有結合として活用したエンタリング法を開発してきた。これら高周期典型元素化合物の特徴的な反応性を活用すれば、これまでに例のないトポロジカル精密巨大分子として、主鎖に分岐構造をもつ軸分子上を環状分子が移動する分子シャトル型ロタキサンを開発できるのではないかと着想し、今年度検討を行った。その基本ユニットとして、分岐部にセレネニルスルフィド結合をもつ分子シャトル型ロタキサンを設計し、その合成を行った。分子シャトルのステーション部としては、第二級アンモニウム塩部位とイミダゾリウム塩部位を配置し、環状分子としてジベンゾ-24-クラウン-8を用いることとした。まず、第二級アンモニウム部位とセレネニルスルフィド部位をもつ軸分子を合成し、前年度開発したエンタリング法によりロタキサン合成を行った。そこに、イミダゾリウム部位をもつ分岐鎖を連結させ、分岐部をすり抜ける形での環状分子の移動が行えるか検討した。塩基と触媒量のチオールと加えることにより、想定通りに環状分子が移動していることを示唆する結果が得られた。これにより、ロタキサンの主鎖が分岐構造を有する場合でも、適切な動的共有結合を利用することで、分岐部をすり抜ける形での環状分子の移動が可能であることが示された。
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