2016 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and characterization of extremely low valent iron
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26620044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 隆文 京都大学, 工学研究科, 助教 (80650639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 隆輝 日本大学, 文理学部, 准教授 (20366561)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄一価 / 低原子価 / 高圧 / 電荷移動 / 平面四配位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでにない一価の鉄を有する酸化物の合成と物性解明を目指し、低温トポケミカル還元反応を駆使して鉄酸化物の合成を行うこと、また高圧下での測定を行うものである。H28年度には、以下の成果が得られた。(1)昨年度まで行っていたEu以外の希土類であるSm,Nd,Hoの固溶体の合成を行い、その構造と物性を明らかにした。Sm,Nd,Hoは三価としてSrFeO2に固溶し、鉄に電子ドープされることを期待したが、三価の固溶を保証するように余剰の酸素が導入されて、鉄は二価のままだった。しかし、これまで報告のない、平面四配位の層間に酸素が導入された構造を得た。(2)Ho20%置換体の高圧X線回折測定から、Ho固溶によってスピン転移圧が低圧化することが分かった。このことは面間の相互作用だけでなく面内の相互作用も重要であることを意味している。(3)複合アニオン配位を持つ新規鉄酸セレン化物BaFe2Se2Oを合成し、その磁気特性を明らかにした。BaFe2Se2Oが持つ特異な磁気構造は、鉄の複合アニオン配位からくる異方性が強い影響を与えていることが分かった。(4)Mn,Co置換体の高圧XRD,メスバウア測定からMnやCo置換はスピン転移圧にほとんど影響を与えないことが分かった。このことは、Mn固溶で磁気的な性質が大きく変化することとは対照的である。 (1),(2)の結果はH28年11月にACSのInorganic Chemistry誌に出版された。(3)の結果はH28年11月にPhyscal Review B誌に出版された。現在は(4)に関する論文とEu置換体の高圧電荷移動転移に関する論文を執筆中である。
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[Journal Article] Impact of Lanthanoid Substitution on the Structural and Physical Properties of the Infinite Layer Iron Oxide2016
Author(s)
Yamamoto, T.; Ohokubo, H.; Tassel, C.; Hayashi, N.; Kawasaki, S.; Okada, T.; Yagi, T.; Hester, J.; Avdeev, M.; Kobayashi, Y.; Kageyama, H.;
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Journal Title
Inorganic Chemistry
Volume: 55
Pages: 12093-12099
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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