2015 Fiscal Year Annual Research Report
空軌道エンジニアリングによる電子輸送システムの構築
Project/Area Number |
26620058
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄子 良晃 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (40525573)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホウ素 / 空軌道 / 有機導体 / 合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に発見した、ホウ素が関与する全く新しいπ共役骨格構築反応について、集中的な検討を行った。本反応は、一段階目として(1)含ホウ素π共役五員環化合物であるボロール誘導体と種々のアセチレン誘導体との1,2-カルボホウ素化反応による含ホウ素π共役七員環化合物ボレピン生成、および二段階目として(2)ボレピン化合物の一電子酸化による脱ホウ素化/C-C結合形成反応により、アセチレン誘導体のbenzannulationが極めて効率的に進行する。上記、二段階の反応はワンポットで行うことができる。また本反応は、アセチレン上の置換基として、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン置換基、エステル基、ビニル基など、様々な官能基存在下でも効率的に進行した。一電子酸化剤としては、FeCl3やMnO2に加えて、AZADOなどのニトロキシルラジカル、アンモニウムイルカチオンなどの有機酸化剤、酸素ガスも使用可能であった。さらに、電気化学的な酸化によっても、ボレピン化合物の脱ホウ素化/C-C結合形成反応が進行した。本反応の適用範囲は極めて広く、複数のアセチレン部位を有する基質のbenzannulationも効率的に進行するほか、酸化剤として過剰量のFeCl3を用いることで、反応系中で同時にScholl環化反応が進行し、湾曲した分子骨格を有する多様な拡張π電子系化合物が高収率で得られた。上記成果は論文としてまとめ、学術誌に投稿中である。
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