2016 Fiscal Year Annual Research Report
Challenging Study on Difluoromethylation of Boron directed toward BNCT Drugs
Project/Area Number |
26620078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三上 幸一 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (10157448)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有機フッ素化学 / バイオイソスター / ジフルオロメチル / フルオロホルム / ホウ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱中性子捕捉療法(BNCT)は有効なガン治療法として期待されているものの、用いられるホウ素10化合物は現在でも極めて限られている。新たなBNCT用ホウ素化合物には、特に高い安定性と高腫瘍選択性が望まれている。本研究では、現在用いられているL-BPAのボロン酸部位の水酸基をジフルオロメチル基に変換した化合物を合成目標とし、検討を進めている。これまでに、我々のグループで見出した知見をもとに開発した、環状ボリルリチウム試薬によるフルオロホルムのC-F選択的置換反応を用いるジフルオロメチル化プロセスを活用することで、ホウ素にジフルオロメチル基が結合したB,N-複素環化合物を安定に合成単離できることを見出している。本年度は、この合成した化合物の単結晶化に成功し、その分子構造を確定した。その結果、電子求引性のジフルオロメチル基によって大きく電子不足となっているホウ素が、非共有電子対をもつかさ高いアミノ基を隣接させることで大きく安定化されていることを示唆する構造的な特徴を明らかにした。続いて、目標とするL-BPAの合成に向けて、合成したジアミノ(ジフルオロメチル)ホウ素化合物に酸触媒存在下でピナコール、グリコール酸を作用させ、引き続くアリール基導入が可能な中間体に誘導している。一方、癌細胞に亢進するL-アミノ酸トランスポーター1(LAT1)を選択的に認識することが知られている19F-PET剤FAMTを参考にした新規ジフルオロメチル化ホウ素含有BNCT試薬を設計し、その合成に向けた検討にも着手している。
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Research Products
(9 results)