2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26620079
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 一彰 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40221759)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アミド縮合 / ボロン酸 / DMAPO / カルボン酸 / 脱水縮合 / 触媒 / 不飽和カルボン酸 / 協奏触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
カルボン酸とアミンは混ぜると塩を形成し安定化するため、アミド脱水縮合はエステル脱水縮合に比べ反応性が著しく低く、未だに実用的な触媒が開発されていない。石原らは1996年に電子求引基を有するアリールボロン酸がアミド脱水縮合触媒として有効なことを報告したが、加熱条件下での共沸脱水操作が必要不可欠であり、熱変成やラセミ化が懸念されるペプチド合成に適用できていない。1996年以降、日、米、英、カナダ、オーストラリアの研究者らが、より活性の高いボロン酸触媒を求めて凌ぎを削っている。本研究課題では、ボロン酸とLewis塩基を併用し、二重活性化による穏和な条件下での脱水縮合を検討した。その結果、ボロン酸/DMAPOが協奏触媒としてカルボン酸を活性化し、アミド縮合反応を促進することを見出した。ボロン酸としては様々なタイプのアリールボロン酸が利用でき、基質の種類によって使い分けることも可能である。さらに、不飽和カルボン酸に対しボロン酸を単独で触媒として用いると、炭素炭素二重結合上にアミンが付加するのに対し、ボロン案/DMAPOを用いると位置選択的にアミド縮合が進行することを見出した。DMAPOの代わりにDMAPを用いると触媒活性が著しく低下したため、第二触媒としては求核性に優れ塩基性の弱いDMAPOが理想的であることもわかった。
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