2015 Fiscal Year Research-status Report
円偏光SCATによるラセミらせん高分子からのホモキラリティーによるらせん選択重合
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26620096
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80212372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺口 昌宏 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30334650)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不斉反応 / らせん選択重合 / 自発性 |
Outline of Annual Research Achievements |
STEP2 構成要素の統合による目的の達成( 1 ) STEP 1の構成要素<1>~< 3>を[1]のように組み合わせることで、円偏光を不斉源としてラセミ高分子から光学活性な高分子を合成(ホモキラリティーの生成)し、続いて生成したホモキラリティーを不斉源とした触媒的不斉増幅重合反応(キラルの転写・増幅)により、不斉触媒とは異なるキラル高分子を合成した。この反応を連続的な反応として実現した。 [1] STEP 1の<2>+STEP1の<3>⇒自己不斉増幅重合、不斉転写憎幅重合 STEP 1で見出した自己不斉触媒性HSSPおよび不斉転写触媒性HSSPと不斉増幅性HSSPに適するHSSP活性モノマーよりHSSPにより得られた光学純度の低いらせん高分子をキラル共触媒(不斉源)として用い、自己不斉増幅HSSP(低い光学純度の高分子触媒を用いて触媒自身 よりも高い光学純度の触媒と同じ高分子を得る)および不斉転写増幅HSSP(低い光学純度の高分子触媒を用いて触媒自身よりも高い光学純度の触媒とは異なる高分子を得る(キラル転写))を検討し、条件を最適化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つのヒドロキシル基とドデシルオキシル基を持つアキラルアセチレンモノマー(DoDHPA)のアキラルなロジウム触媒による重合で得られたラセミらせんポリマー膜に円偏光を照射することで環化三量化分解が進行し、円偏光二色性スペクトルにおいてコットンシグナルが現れる円偏光によるラセミらせんポリマーのSCAT反応の最適条件を検討し、さらに他のらせん選択重合により得られるポリマーへの適用を検討が進んでいる。 らせん選択重合による2つのヒドロキシルメチル基を持つアキラル置換アセチレンモノマーよりの片巻きらせんポリマーがジエチル亜鉛を用いたアルデヒドのアルキル化の不斉触媒として機能することおよびらせん選択重合により得られたポリマーを不斉源とするらせん選択重合を検討した。 本研究のらせん選択重合をより微量のキラル共触媒量で実現すること明らかにし、らせん選択重合による2つのヒドロキシルメチル基を持つアキラル置換アセチレンモノマーよりの片巻きらせんポリマーの巻き方向は、キラル共触媒(不斉源)のキラリティーの符号だけでなく、キラリティー以外の条件(=キラル共触媒の金属触媒に対するモル比)でも制御できることを明らかにした。また、これらのアキラルな二つのヒドロキシルメチル基をドデシル基を有するフェニルアセチレンが固体(結晶)状態でキラルな集合状態を形成している可能性を、固体状態の円二色性スペクトルの詳細な検討により明らかにし、また、このキラル集合状態がトルエンやクロロホルムなどの比較的低極性の溶媒に溶かした場合にも完全には消失しないことも明らかにし自発らせん選択重合、不斉増幅反応の一つの要因と考えられる現象を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
STEP2 構成要素の統合による目的の達成(2) STEP1の構成要素<1>~<3>を[2]のように組み合わせることで、円偏光を不斉源としてラセミ高分子から光学活性な高分子を合成(ホモキラリティーの生成)し、続いて生成したホモキラリティーを不斉源とした触媒的不斉増幅重合反応(キラルの転写・増幅)により、不斉触媒とは異なるキラル高分子を合成する。この反応を連続的な反応として実現する。 [2]STEP1の<1>+STEP2の[1] => 円偏光によるホモキラリティー生成とキラルの増幅と転写最終目的の実現[1]で用いていた低光学純度のらせん高分子をラセミ高分子への円偏光照射による合成する(ホモキラリティーの生成)、連続的に生成したホモキラリティーを不斉源とした触媒的不斉増幅重合反応(キラルの転写・増幅)により、不斉触媒とは異なるキラル高分子を合成する。
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Causes of Carryover |
本研究の基本モノマーである二つのヒドロキシメチル基とドデシルオキシル基を持つアキラルフェニルアセチレン(DoDHPA)のらせん選択重合により得られるポリマーを用いた不斉触媒反応および不斉自己触媒らせん選択重合が当初予想よりも見込みが高いと考えられたため、今年度すぐに多種類のモノマーについて検討する必要がなくなった。そのため予定よりもモノマー合成用の経費が少なく済んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、新たに従来固体状態でのみ進行すると考えていた光環化芳香族化反応が、条件によっては溶液状態でも進行する可能性が見出された。溶液状態での反応は機構の解明がより容易になり本研究課題の推進に寄与すると考えらえるため、新たに光照射波長条件の最適化のためにバンドパスフィルター、ランプ等の消耗品を購入し、反応機構の解明を行う。 また、キラル増幅および不斉転写のために触媒反応に寄与する炭素、窒素の二重結合を含むイミン官能基や酸素、窒素などの配位性官能基を導入したモノマーについてらせん選択重合、不斉触媒反応を検討するためにモノマー合成および重合反応用の試薬、溶媒、ガラス器具などの消耗品の購入に充当する。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Influence of Hydrodynamic Environment on Chain Rigidity, Liquid Crystallinity, Absorptivity, and Photoluminescence of Hydrogen-Bonding-Assisted Helical Poly(phenylacetylene)2016
Author(s)
Young-Jae Jin, Hyojin Kim, Mari Miyata, Guanwu Yin, Takashi Kaneko, Masahiro Teraguchi, Toshiki Aoki, Giseop Kwak*
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Journal Title
RSC Advances
Volume: 6
Pages: 36661-36666
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Novel Isolated, L-Amino Acid-Ligated Rhodium Catalysts that Induce Highly Helix-Sense-Selective Polymerization of an Achiral 3,4,5-Trisubstituted Phenylacetylene2016
Author(s)
Hongge Jia*, Yongqiang Shi, Liqun Ma, Xuan Gao, Yazhen Wang, Yu Zang, Jijun Peng, Toshiki Aoki, Masahiro Teraguchi, Takashi Kaneko, Toshio Masuda
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Journal Title
J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem.
Volume: 54
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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