2015 Fiscal Year Annual Research Report
明確な直鎖構造を有する次世代多価フェノール樹脂の創成
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26620097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
生越 友樹 金沢大学, 物質化学系, 教授 (00447682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 忠明 金沢大学, 物質化学系, 教授 (90220251)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェノール樹脂 / 構造制御 / 蛍光 / ジグザグ構造 / オリゴマー / H会合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
パラジメトキシベンゼンを重合したして得られたパラ位で架橋位置が制御されたフェノール樹脂について、光学特性測定を行った。その結果、液体中において青色~白色発光を示すことが分かった。モノマーであるパラジメトキシベンゼンは、溶液中では可視光で発光しないために非常に興味深い発光特性であると言える。さらに溶媒によって、発光特性が大きく変化することが分かった。このことを明らかとするために。分子量による発光特性の変化を調査した。パラジメトキシベンゼンをメチレン結合で連結した、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマーの合成に成功した。興味部いことに、固体状態において、ダイマーは青色発光、トリマーは緑色発光を示すことが分かった。さらにトリマーの緑色発光は、遅延蛍光が確認された。もともとのパラジメトキシベンゼンでも、H会合体を形成することで遅延蛍光が観測されることが近年報告されたが、トリマーではその遅延蛍光が明らかに大きく遅延しており、良好な緑色蛍光を示した。そのため、トリマーの固体状態での構造について明らかとするために、単結晶X線構造解析を行った。その結果、トリマーは階段状のジグザグ構造を形成していた。さらに、そのジグザグ構造が分子間で緻密にスタックした構造を形成していた。階段状構造を形成することで、モノマーよりもH会合体を形成しやすく、それによりモノマーよりもよりも遅延蛍光を示し、良好な緑色蛍光を示したと考えられる。テトラマー、ペンタマーになると、固体状態での蛍光は確認できなかったが、液体状態において青色~白色蛍光を示すことが明らかとなった。ポリマーにおいて見られた蛍光と同様であり、4量体以上の分子量から液体中において蛍光を示すことが明らかとなった。
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