2014 Fiscal Year Annual Research Report
SECカラム中で分離されている高分子の中性子散乱による直接コンフォメーション解析
Project/Area Number |
26620099
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高野 敦志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00236241)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | SECカラム / 高分子 / コンフォメーション / 中性子散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
SECカラムとして市販のシリカゲルカラムを使用し、シリカゲル粒子の細孔構造評価をSEM、TEMおよび3D-TEMを用いて行った。SEM観察より、シリカゲル粒子は粒径分布が狭く、平均粒径が約9μmを有することが確認された。またシリカゲル粒子の超薄切片のTEM観察より、細孔はゲル内部まで均一に存在していることが確認された。さらにゲル粒子内部を3次元TEMによって観察したところ、シリカゲル内部は3次元共連続網目構造をとっており、最大空隙サイズ(=細孔径)は実測で最大60nm程度と見積もられた。重合架橋したカラム中のシリカゲル粒子の充填構造をSEMで観察したところ、ゲル粒子間には多数の隙間が存在し、ゲル粒子は最密充填されていないことも確認された。 このカラムを用いてポリスチレンの良溶媒であるTHF中、SEC測定を行った。カラムの分離可能分子量は5k≦Mw≦430kであった。排除限界分子量430kにおけるTHF中のポリスチレンの拡がりは、回転直径60nmに相当する。これは3D-TEMから見積もった最大細孔径と一致していることが確認された。溶離液にDEM(θ溶媒)、MEK(中間溶媒)を用いて同様にSEC測定を行ったところ、THF、MEK、DEMの順で良溶媒性が低下するほど溶出が遅くなり、排除限界分子量も大きくなることが確認された。 さらに、小角中性子散乱(SANS)測定を行うため、特注の純アルミ製カラムを作製し、上述の構造解析が行われたゲル粒子を充填したカラムを作成した。この1年間の中で韓国原子力研究所HANAROの40m-SANSのビームタイムを2回に確保した(2014年7月、および2015年2月)。しかし、いずれもHANAROにおけるトラブル(第1回目は研究所内の火災、第2回目は韓国政府による安全チェック)により、測定日直前にビームタイムがキャンセルになり、測定は実現しなかった。
|
Research Products
(1 results)