2014 Fiscal Year Research-status Report
マクロスケールでの自己組織体の構築と究極の”超分子”の創製
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26620103
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 明 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80127282)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 自己集合 / 自己組織化 / シクロデキストリン / ヒドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
規則的な超分子ゲルの自己組織化の解明 シクロデキストリン(CD)などのホスト分子を用いてゲル表面での分子認識を利用して、ゲルの自己組織化による規則構造物を作製した。このような組織体構築には特定の表面で分子認識を実現するためにホストとゲストの相補性を調整して、ゲルの接着壁面を作製した。今年度は二次元方向にてある程度の周期構造の構築に成功した。これらの集積体形成は人為的に接合させる必要がなく、人の手の届かない空間においても能動的に複雑な構造物の構築が可能となる。 競争分子添加による自己集合体形成の制御 ゲル集合体の制御においては“分子認識”が重要なポイントであり、ホスト分子はCDに限られたものではない。我々はフェロセン(Fc)をゲスト分子に選択することで、酸化還元に応答性した集積体形成の制御を達成した。酸化後には、Fcがカチオン性のFc+に変化する。このような酸化状態においては、カチオン性ゲスト分子を包接するカリックスアレーン誘導体を阻害剤として加えることが有効である。カリックスアレーン誘導体を添加したところ、自己集合体を解離させることができた。またアダマンタンカルボン酸塩を加えることでβCDとは解離させることができた。このように集合体形成は疎水性相互作用だけでなく、イオン相互作用も選択でき、カリックスアレーンなど出来ることが明らかと成った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、「規則的な超分子ゲルの自己組織化の解明」と「競争分子添加による自己集合体形成の制御」に取り組むことが出来た。学会発表や論文発表も行っており、おおむね順調に研究は進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、三次元方向にも自己集積体の構築を試みる。特に三次元方向に対して、精密な周期構造が構築できるかが、最も挑戦的な課題となってくる。平成27年度においては、当初、「ABC集合体の作製と自己集合制御によるパターン形成」と「ゲストポリマービーズとホストポリマービーズを用いたパターン形成」の研究課題について計画していたため、これらについて、取り組む。
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Causes of Carryover |
研究課題については、当初計画通りに実施することが出来た。当初計画した予算金額よりも、試薬代と出張費が圧縮できたため、次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は当初計画に記載されていた生体試料などの高額試薬への利用を予定している。また、最終年度ということもあり、論文掲載費用への支出を予定している。
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Research Products
(27 results)