2014 Fiscal Year Research-status Report
TRMC@Interfaces: あらゆる有機高分子界面での電子伝導特性計測
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26620104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関 修平 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30273709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 昭紀 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10362625)
櫻井 庸明 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50632907)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | FI-TRMC / TRMC@Interfaces / 非接触 / 非破壊 / マイクロ波 / 界面 / 伝導度 / 電荷移動度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、界面における局所電気伝導特性の評価を行うFI-TRMC法の開拓を行った。測定に用いる素子として、石英基板上に金電極をパターニングし、SiO2および絶縁性高分子による絶縁層を積層、その上に半導体層を塗布もしくは蒸着、最後に上面金電極を蒸着した金属-絶縁体-半導体(MIS)型素子を選択した。空洞共振器および導波管を適切に組み合わせた回路を構築し、MIS素子を空洞共振器内に適切な方向で挿入し、金電極間にパルスゲート電圧を印加した。同時に、マイクロ波を空洞共振器内へと照射し、その反射マイクロ波強度をオシロスコープでモニタリングすることで、ゲート電圧印加に伴う絶縁体-半導体界面での電荷キャリアの共振現象をとらえることが可能となり、局所電荷移動度の導出法を確立した。 今年度は、絶縁性高分子はポリメチルメタクリレート(PMMA)で固定し、半導体層としてはペンタセンやベンゾチエノベンゾチオフェン(BTBT)等の蒸着膜の形成が容易な有機半導体を主に用いた。FI-TRMC測定の結果、PMMA上のペンタセン薄膜の局所正孔移動度が6 cm2 V-1 s-1と導出した。さらに、小さなゲート電圧印加時には共振可能な電荷キャリアが少ないことに気がつき、詳細な解析の結果、これがペンタセン-PMMA界面における電荷キャリアトラップに対応していることを見出した。結果として、MIS素子におけるペンタセン-PMMA界面トラップ密度がおよそ10^12 cm-2であると定量した。これら一連の評価手法は塗布したBTBT誘導体薄膜や単層グラフェンにも適用でき、測定手法の汎用性が明らかとなった。 電子デバイスにおいて機能を担う部位のほとんどは半導体-絶縁体界面や半導体間界面に集中している。その意味で、半導体-絶縁体界面における材料に本質的な電荷キャリア移動度を迅速に定量することが可能である本手法の開拓は有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
FI-TRMC法の確立を終え、低分子をメインとした蒸着薄膜・塗布薄膜ともに測定が可能であることを実演した。さらに、グラフェンのような層状材料へも適用できることを示した。電荷キャリア移動度だけではなく界面トラップ密度をも定量できることを見出した点を鑑みて、当初の期待以上の進展であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
一定以上の評価系の確立を終えたため、特異な材料の本質的電荷移動度の評価を詳細に行っていく。この際、絶縁層の種類を変化させることで、絶縁体-半導体界面の構造の差異が電荷キャリア移動度や界面トラップ密度に与える影響についても調べていく。さらに、グラフェン等の原子層材料について層数が局所電荷移動度に与える影響を検証する。
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Causes of Carryover |
論文の投稿において、関連論文が表紙に採録になったことに伴い、出版時期が3月から5月ごろにずれこむことになったため。インターネットでは公表されている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
速やかに実験消耗品および投稿料として執行する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Two-Dimensional Tetrathiafulvalene Covalent Organic Frameworks: Towards Latticed Conductive Organic Salts2014
Author(s)
S. Jin, T. Sakurai, T. Kowalczyk, S. Dalapati, F. Xu, H. Wei, X. Chen, J. Gao, S. Seki, S. Irle, and D. Jiang
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 20
Pages: 14608-14613
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 2,6-Diphenyl- and -Distyryl-Capped 3,7-Dialkoxybenzo[1,2-b:4,5-b’]dithiophenes and Their Dithieno-Annulated Higher Homologs: Structural Phase Transition with Enhanced Charge Carrier Mobility2014
Author(s)
S. Minami, M. Ide, K. Hirano, T. Satoh, T. Sakurai, K. Kato, M. Takata, S. Seki, and M. Miura
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Journal Title
Phys. Chem. Chem. Phys.
Volume: 16
Pages: 18805-18812
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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