2016 Fiscal Year Annual Research Report
Thermodynamic study of RNA trinucleotide recognition within silica mesopores
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26620112
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山口 央 茨城大学, 理学部, 准教授 (10359531)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ細孔 / DNA / 3塩基認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
3塩基認識は,リボソームでのタンパク質合成において重要な役割を担っている。しかし,in-vitro系での実験的困難さから,その熱力学的安定性に関する知見は得られていない。申請者らは,無機ナノ空間内において3塩基DNA鎖間での二本鎖形成反応がほぼ定量的(90%以上)に進行することを,これまでに見いだしてきた。本研究では,無機ナノ空間内におけるRNAの3塩基認識に関する一連の(塩基配列やミスマッチの有無)熱力学的パラメーターの算出を目指した。 【トリプレットリピートDNAを用いた検証】(CCG)4トリプレットリピートは,3塩基の塩基対で形成されるステム部位を有するヘアピンループ構造を形成する。このトリプレットリピートについては前年度までにアミン修飾シリカナノ細孔内で若干不安定化することを見いだしている。本年度は,細孔径が3.5~13 nmの範囲でトリプレットリピートの構造安定性が変化しないことを確認した。これは,細孔内壁とループ部位との強い静電相互作用による構造変性と不安定化を意味する。 【細孔サイズの検証】これまでに,ループ部位が存在しないDNA二重鎖は細孔内で安定化し,ループ部位を有するヘアピンループ構造では逆に不安定化することを見いだしてきた。そこで,3~4塩基DNA二重鎖について,構造安定性・平衡定数と細孔サイズの関係を精査した。その結果,DNA二重鎖の幅(直径)と細孔空間サイズが一致すると2桁以上平衡定数が増大することを明かとし,サイズマッチング効果によるDNAの構造安定性の定量的評価を初めて達成した。
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Research Products
(6 results)