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2014 Fiscal Year Research-status Report

化学イメージングセンサによる高スループットスクリーニングの研究

Research Project

Project/Area Number 26620113
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

内田 秀和  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60223559)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords電気化学センサ / 二次元電気化学センサ / 化学イメージングセンサ / マイクロビーズ / アンペロメトリ / 酸化還元電流 / 酵素センサ
Outline of Annual Research Achievements

化学イメージングセンサによるマイクロ計測法の研究を行い、光スポットを照射した位置のイオン濃度に依存した酸化還元電流を観測できることを確認した。センサの光導電性薄膜として銅フタロシアニンをドープしたポリビニルカルバゾールを用いることでフェロシアン化物イオンを1μMの濃度まで計測できることを確認した。また、集光したレーザー光をスキャンすることにより0.5mm程度の分解能で二次元測定できることを確認した。
実施計画に沿って酵素を用いた基質測定を試みたが二つの理由により測定できていないことが明らかになった。1つ目の問題はイオンが極低濃度のとき検出感度が不安定になることである。この主な原因として、レーザー光を照射しない暗状態でも膜に導電性が僅かにあると、検出対象のイオンを無駄に消費してしまうことが挙げられる。光導電性薄膜が理想的な特性を持たない限り避けられないことであり、研究目的の達成のために大きな障害となる。そこで、センサの動作機構を大幅に見直して、外部バイアス電源を排除し、デバイス内にヘテロpn接合を形成して局部的な光起電力により酸化還元電流のキャリアを供給することとした。これにより暗電流が大幅に減少することを確認し、目的を達成するために必要な性能が得られることを明らかにした。
2つ目の問題は酵素がごく微量であるため疎水面に吸着して失活してしまうことである。本来の目的であるマイクロビーズを用いた計測法では原理的に生じない問題であるが、予備実験としてデータを収集するには解決しなければならない問題である。酵素の吸着は界面活性剤を用いることで防止が可能で、界面活性剤による酸化還元電流の測定の妨害はごく僅かであることを実験により確認し、問題は解決された。
これらの成果は学会で発表する予定となっており、今後、論文として公表することを検討する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

化学イメージングセンサを用いたマイクロ計測法を開発し、高効率な並列分析技術を確立するという目的に対して、全体でおよそ40%の達成度となった。実現すべき3つの項目として挙げた(1)センサ素子、(2)測定技術、(3)実証実験についてそれぞれの達成状況は以下の通りである。
(1)センサ素子の開発は本年度の研究の中で動作機構の見直しを行ったことで大きく進展し、原理的な裏付けを持つ、実用に十分な特性を持つデバイスを実現できる見通しが立った。センサ素子の達成度はおよそ90%である。
(2)測定技術についてセンサシステムの構築が70%完了した。計測制御ソフトウェアが未完成であるが、ゲルシートおよび酵素を用いた予備実験についてそれぞれ完了し、両者を組み合わせた二次元酵素センサの測定の実施に目処がついた。
(3)実証実験についてまだ未着手である。

Strategy for Future Research Activity

実現すべき3つの項目として挙げた(1)センサ素子、(2)測定技術、(3)実証実験についてそれぞれの以下の通りである。
(1)目標を達成したセンサ素子についても開発は継続して行い、問題があれば改善方法を探索し、酸化還元電流測定のダイナミックレンジ拡大などの性能向上を目指す。
(2)センサシステムについてゲルシートを安定して保持する機構の改善を行うとともに、計測制御ソフトウェアを作成する。完成したシステムを用いて二次元酵素センサの測定を行い、酵素阻害剤の効果を確認する予備実験を行う。
(3)酵素を固定化したマイクロビーズを用いて、局所的な酵素反応を検出する実証実験を開始する。

Causes of Carryover

学会発表が年度内に間に合わず翌年度にずれたため、「旅費」が次年度使用額として残った。
また、論文執筆が間に合わないため、翌年度投稿予定となり投稿費用として計上した「その他」の費目も次年度使用額として残った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度に繰り越した「旅費」は7月の学会発表で使用予定である。
また、同様に繰り越した「その他」費目は予定している論文の投稿費用として支出予定である。
翌年度分として請求した助成金は当初の予定どおり支出する予定で、変更はない。

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Published: 2016-05-27  

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