2015 Fiscal Year Annual Research Report
1分子レベルでの生細胞内RNAリアルタイム計数プローブの開発
Project/Area Number |
26620115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 英哲 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90464205)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体分子 / 1分子計測(SMD) / バイオテクノロジー / 細胞・組織 / 分析化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生細胞内のRNAを検出して可逆的に蛍光を示す新規RNAプローブの構築を行なった。このプローブは円順列変位型蛍光タンパク質領域と2つのRNA認識領域からなる。RNA認識領域に目的RNAが結合すると、蛍光タンパク質領域に構造変化が生じ、蛍光性を示すように設計した。本プローブのプロトタイプとして、マウス由来βアクチンmRNAをターゲットとするRNA認識領域を採用した。 作成したプローブ分子をマウス線維芽細胞由来株NIH3T3細胞に導入し、蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞質に明瞭な蛍光が観察された。すなわち、本プローブはマウス細胞内においてβアクチンmRNA存在下で蛍光性を有することが示された。 続いて、目的RNAとの結合ON/OFFにより蛍光性を変化させるプローブを構築するために、円順列型蛍光タンパク質領域と2つのRNA結合領域をつなぐリンカー長を0アミノ酸から11アミノ酸まで変化させた。得られたプローブバリアントそれぞれを大腸菌で発現させ、単離精製したものを用意した。併せて、目的配列2つを有するRNAを試験管内で作成し、精製した。プローブバリアント溶液にRNAを添加する前後において、蛍光分光光度計を用いて蛍光スペクトルを測定した。その結果、いずれのプローブも蛍光性は示したが、RNAの有無より有意な蛍光強度の差は得られなかった。 以上の結果より、RNA結合により円順列変位型蛍光タンパク質領域に蛍光性を変化させる構造変化は生じないことがわかった。今後円順列変位型蛍光タンパク質部分を二量体化により蛍光性を変化させる蛍光タンパク質荷尾杵変えたものを開発する。
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