2015 Fiscal Year Annual Research Report
共振器増強位相整合コヒーレント反ストークスラマン散乱分光法の開発
Project/Area Number |
26620120
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
財津 慎一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60423521)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コヒーレント反ストークスラマン散乱 / 共振器分光 / 放射性同位体 / 極微量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的となる連続発振レーザーを用いた共振器増強位相整合CARS分光法の実現に向けて、本年度は、(1)共振器への2波長レーザー結合制御のためのフィードバック光学系の構築(2)基本光成分レーザーの共振状態の安定化(3)ストークス光成分レーザーの共振状態の安定化、を実施した。まず、共振器増強位相整合CARS分光法で必要となるラマンシフト周波数だけ離調した2波長同時共振を実現するために、Pound-Drever-Hallシステムを構築した。共振器入射ビーム(単一周波数Ti:sapphireレーザー)に対して位相変調器(変調周波数:12MHz)を導入し、共振器からの戻り光成分を復調するためのロックイン増幅器を組み込んだ。復調された信号が、共振器状態からの逸脱に比例する誤差信号となっていることをオシロスコープによって確認した。この誤差信号を周波数領域で整形するためのサーボを導入し、最適なゲインおよび位相条件を決定した。これによって発振を抑制した状態で共振器の安定化を実現した。続いて、このフィードバック系を維持したまま、ストークス光成分となる外部共振器型半導体レーザーを導入するための光学系を追加した。ダイクロイックミラーによって2波長のレーザー光を合成し、周波数変調を施したストークス光成分の共振器戻り光のみを復調することによって、ストークス光成分に対する誤差信号を取得した。この誤差信号を外部共振器型半導体レーザーの制御器にフィードバックすることによってストークス光成分の共振状態の安定化を達成した。今後、この構築した光学系によって、ラマンシフト周波数だけ離調した2波長を同時に共振させることで、分析対象となるラマン活性分子を封入した共振器で位相整合条件を満足した共振器増強CARS分光による新規高感度分析法を実現する。
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Research Products
(4 results)