2014 Fiscal Year Research-status Report
コバレントドラッグ開発のための新しい基盤技術の創出
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26620137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10343328)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質 / コバレントドラッグ / 化合物ライブラリー / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、我々がこれまでに構築した蛍光アッセイシステムを用いて、システイン残基に対して穏やかな反応性を持つ反応性基を探索を行った。その結果、アルファフルオロクロロアセトアミド基が特異的なタンパク質ラベル化を可能とする穏やかな反応性を持つ優れた反応性基である可能性を見出した。続いてアルファフルオロクロロアセトアミド基を有する30種類の小分子から成る化合物ライブラリーを作成し、パパインタンパク質を標的として酵素阻害アッセイを行ったところ、いくつかの化合物がプロテアーゼ阻害活性を持つことを明らかとした。さらにESIマス測定や19F-NMR測定により、阻害活性を持つ化合物がパパインと共有結合を形成していることを明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね本年度当初の計画どおり、新しい反応性基の開発とその酵素阻害剤開発への応用を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに大規模な化合物ライブラリーを構築する。すでに120種類以上の化合物からなるアニリン誘導体を選定済みであり、購入後にこれらの化合物に対してアルファフルオロクロロアセトアミド基を導入しコバレントドラッグライブラリーの拡張を図る。一方で新たな創薬ターゲットとしてグローバルヘルスの観点からマラリアや結核を標的とした創薬研究を実施し、我々が進めるコバレントドラッグ開発の有用性を実証する。
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