2014 Fiscal Year Research-status Report
ムチンにおける周波数依存性マイクロ波効果の探索と応用
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26620142
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
亀山 昭彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究グループ長 (80415661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 順一 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (10235905)
清水 弘樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (30344716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ムチン / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
多量の糖鎖に覆われた巨大タンパク質であるムチンは、がんや感染等との関連が古くから示唆されてきた。しかし、ムチンの解析は難しく、近年のプロテオミクスによる進歩からも取り残された未開拓領域である。研究代表者はムチンを簡便に分離し、その糖鎖構造を解析する方法を開発したが、ムチンを分離できても、それを簡便に同定する技術が存在せず、その開発が切望されている。本研究では、ムチン分子近傍の「束縛された水分子」を介してムチン分子を選択的に活性化できるマイクロ波の周波数を見出す。さらにその周波数のマイクロ波を活用したムチンの選択的分解反応を探索し、その分解パターンを指標とする新規ムチン同定法を開発する。平成26年度は、市販のブタ胃ムチン(PGM)、ウシ顎下腺ムチン(BSM)を用いてマイクロ波非照射下におけるムチンの各種分解反応(アスパラギン酸両サイドの酸加水分解、プロリンN末側の還元的切断、メチオニンC末側の切断、アルカリ加水分解、プロナーゼによる酵素的加水分解)について検討した。その結果、市販のムチンは純度が低いため、分解実験の評価が難しいことが判った。そこで市販のムチンの精製検討を進めるとともに、分解実験のモデル化合物として利用できる糖ペプチドの合成を開始した。また、マイクロ波照射については、微量の試料を対象としてサーモグラフィーにより温度を計測しながら出力をコントロールしてマイクロ波を照射できるように設備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ムチン分解物を分析するための前処理法や分析法の最適化に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ムチンそのものではなく、モデル多糖やモデル糖ペプチドを用いた分解実験を優先的に進め、束縛された水分子におけるマイクロ波効果を早期に見出す。
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Causes of Carryover |
ムチン分解物の分析条件設定に時間がかかり、H26年度は種々のマイクロ波を用いた多検体の分析実験を行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多糖や糖ペプチドなどをモデル化合物として分析条件を設定し、多検体の分析には必要に応じて実験補助員を雇用し、研究の遅れを取り戻す。
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