2015 Fiscal Year Annual Research Report
BNA有機単結晶極細ファイバーの作製技術開発とTHz波発生装置への応用
Project/Area Number |
26620162
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鎌田 圭 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (60639649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧田 佑馬 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (50714820)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単結晶成長 / 有機非線形結晶 / マイクロ引き下げ法 / テラヘルツ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目標とする光ファイバー一体型光波-THz波変換非線形光学素子を実現する為には、1.μ-PD法結晶作製装置の低温用への改良、2.光ファイバーと同程度の細さを有するBNA単結晶ファイバー作製技術の確立、3.光ファイバー一体型光波-THz波変換非線形光学素子の試作とTHz波発生の確認が必須となる。本研究では、μ-PD法を用いたファイバー単結晶作製技術を応用し、融液成長法によるBNA単結晶ファイバー作製の検討を行った。始めに、材料と坩堝材の濡れ性とBNAとの反応性の観点から検討し、ファイバー状への制御がもっとも容易な坩堝材および形状を設計した。Ir、SUS、Al、Cuといった金属の他、ガラスやナイロンといった材料を検討した結果、ナイロンにて15°の最適な濡れ角を確認した。本結果を基に、μ-PD法ルツボの、ダイの部分にナイロンを採用し、円筒部にSUSを用いたルツボを設計した。ルツボのSUS部が高周波誘導加熱によりBNA融点近傍まで昇温される。当該ルツボをのぞき穴の開いたSUS製のアフターヒーターの上に設置し、当該アフターヒーターは、水冷治具の上に設置し、冷却水の温度を恒温槽で調整することで、結晶育成方向の温度勾配を調整可能とした。その結果、成長速度0.1mm/minにて、[010]面を選択制御した約0.8mm径のファイバー状結晶の作製に成功した。得られた結晶についてX線ロッキングカーブを測定し、[010]面において20arcsec以下の結晶性を確認した。さらに、KTP結晶を用いた二波長光パラメトリック発振器(OPO)からの800-1000 nmの近赤外励起光を用いたTHz波発生システムを用いて、当該BNAファイバー単結晶からのTHz波の発生を確認した。
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