2015 Fiscal Year Annual Research Report
ABA型ブロックポリチオフェンの合成と導電性熱可塑性エラストマーの開発
Project/Area Number |
26620172
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
東原 知哉 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (50504528)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / 半導体高分子 / 熱可塑性エラストマー / 相分離構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Hard-Soft-Hardセグメントを有するABA型全共役ブロックポリチオフェンを合成し、ポリチオフェン材料として世界初となる導電性熱可塑性エラストマーの開発を目的とした。H27年度の計画では、H26年度に確立した合成手法により得られた新規トリシロキサン基含有ABA型全共役ブロックポリチオフェン(P3HT-b-P3SiHT-b-P3HT)の光学特性および高輝度X線散乱測定による薄膜におけるモルフォロジーの観察を中心に行った。原子間力顕微鏡(AFM)によりP3HT-b-P3SiHT-b-P3HTおよび比較としてAB型全共役ブロックポリチオフェン(P3HT-b-P3SiHT)の薄膜表面観察を行った。いずれのポリマーも薄膜表面のミクロ相分離構造に由来すると考えられる20-30 nmの周期構造が観測された。さらに薄膜内部のモルフォロジーを解析するために斜入射小角X線散乱測定(GISAXS)を行った。In-plane方向の1Dプロファイルより、いずれのブロックポリチオフェンもミクロ相分離構造に基づく散乱が見られた。さらにSoftなP3SiHTセグメントが長くなると、散乱ピークが低q側にシフトしていることが分かり、P3SiHTセグメントとミクロ相分離の周期構造が相関していることが明らかとなった。またP3HT-b-P3SiHT-b-P3HTはP3HT-b-P3SiHTと比較して各セグメントの分子量が小さいにもかかわらず、鋭い散乱ピークが観察されていることからP3HT-b-P3SiHTよりもP3HT-b-P3SiHT-b-P3HTの方がより相分離が促進されることが示された。これらポリマーの相分離構造と力学特性や光電子物性には相関があると予想され、今後相関性の定量化について研究をさらに推進する予定である。
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Research Products
(14 results)