2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26620189
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横井 俊之 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (00401125)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | *BEA型ゼオライト / 有機構造規定剤 / キラルゼオライト / 光学活性有機分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
*BEA型ゼオライトに適用可能な光学活性有機分子の探索、スクリーニングを行った。検討したアミン系光学活性有機分子は(1S, 2S)-1,2-diphenylethylenediamine、Bis[(1R)-1-phenylethyl]amine、1S)-1-phenylethylamine、(1S)-N-benzyl-1-phenylethylamine、(1S, 2S)-1,2-cyclohexanediamineである。まず、溶解性を調べた。これらの中で塩基性水溶液に可溶なものは(1S, 2S)-1,2-cyclohexanediamineだけあったため、この分子を用いてBEAゼオライトの合成を実施した。また、アミン系光学活性有機分子に加え、アルコール系の有機分子も検討した。具体的には1,2:5,6-O-Di-isopropyliden-α-D-glucofuranoseと1,2:5,6-O-Di-isopropyliden-α-D-mannitolである。これらの有機分子をadditiveとし、原料モル組成比 1 SiO2 : 0.1 Al(OH)3 : 0.6 NaOH : 25 H2O : 10 wt% Seed : 0.1 Additive とし、140℃4日間、水熱条件下で結晶化を実施した。生成物のXRDパターンより、BEAゼオライトが得られた。しかし、Polymorph AからなるBEA型ゼオライではなかった。その後、原料組成や結晶化条件を種々検討したが、XRDから判断するに、現時点では、Polymorph AからなるBEA型ゼオライの合成には至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アミン系光学活性有機分子を用いてBEA型ゼオライトの合成を実施したが、目的であるPolymorph AからなるBEA型ゼオライの合成には至っていない。アミン系光学活性有機分子の溶解度が問題になっており、溶媒の検討、高塩基性条件下での安定性などの改善が必要であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
アミン系光学活性有機分子の溶解度が問題になっており、溶媒の検討、高塩基性条件下での安定性などの改善が必要であると考えている。そこでpH的にはよりマイルドな条件である、HF共存下の「フッ化物法」を用いアミン系光学活性有機分子の存在下、BEA型ゼオライト合成を実施する計画である。
|
Causes of Carryover |
H26年度は光学活性有機分子の探索、スクリーニングを行った。主にゼオライト合成用の有機試薬、無機試薬などの消耗品の購入、ならびにゼオライトゲル合成用の実験器具類に予算を使用した。また情報収集のために旅費を使用した。合成や構造解析では、すでに既設の装置類を効果的に使用できたため、執行予算は当初の見込みより少なくなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度において、引き続き光学活性有機分子の探索、スクリーニングを行った。主にゼオライト合成用の有機試薬、無機試薬などの消耗品の購入に予算を施行する予定である。また、学会参加などに旅費を使用する計画である。H26年度の成果を踏まえ、H27年度では精力的にゼオライト合成を行う予定であり、得られた生成物の細孔の光学特性評価や触媒特性評価など構造解析も予定している。そのための消耗品なども必要になると想定している。最終的には適正な予算執行になる予定である。
|