2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノ空間を利用した高容量可逆コンバージョン反応系の構築
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26620196
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森口 勇 長崎大学, 工学研究科, 教授 (40210158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜田 幸幾 長崎大学, 工学研究科, 助教 (40567666)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多孔カーボン / ナノ空間 / ナノ結晶 / コンバージョン反応 / 酸化スズ |
Outline of Annual Research Achievements |
既報に従ってシリカナノ粒子からなるコロイド結晶をテンプレートにしてメゾ・マクロ細孔が規則的に配列したナノ多孔カーボン(PC)を合成した。そのPCへSnO2ゾル溶液を含浸させてSiO2/PCナノ複合体(SnO2/PC-sol)を合成した。また,SnCl2とPC混合物の真空熱処理により,PC細孔内にSnCl2を導入し,加水分解・熱処理することによりSiO2/PCナノ複合体(SnO2/PC-vap)を合成した。XRD,N2吸着等温線測定,SEM観察,TEM観察より,SnO2/PC-vapはPC細孔内に優先的にSnO2ナノ結晶が析出し,SnO2/PC-solはPC細孔内外にSnO2結晶が析出していることがわかった。 SnO2ナノ粒子・アセチレンブラック混合物(SnO2・AB),SnO2/PC-sol,SnO2/PC-vapについて定電流充放電測定を行ったところ,SnO2・AB,SnO2/PC-solでは,コンバージョン反応が不可逆であるのに対し,SnO2/PC-vapでは可逆性が大幅に向上した。また,合金・脱合金化反応においても,SnO2/PC-vapは可逆性に優れることがわかった。SnO2/PC-vapについて,PCの細孔サイズを小さくすると,上記それぞれの反応の可逆性がさらに大幅に向上することも明らかとなった。本研究で当初想定していたナノ空間を利用した反応場規制により,バルクでは進行しにくいコンバージョン反応や合金・脱合金反応を進行させることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で予定した材料合成から構造評価,充放電特性評価まで順調に行い,着想した研究成果があがっている。
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Strategy for Future Research Activity |
系統的に制御した材料を合成し,ナノ構造と充放電特性の相関性について検討を行う。さらに,ナノ空間における反応メカニズムの解明を進め,その特徴や特異性を明らかにする。
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