2015 Fiscal Year Annual Research Report
革新的なポリオキソメタレート基有機・無機ハイブリッドバルク材の開発
Project/Area Number |
26620199
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
幸塚 広光 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80178219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 弘章 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (10551319)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オキソオリゴマー / ポリオキソメタレート / キレート剤 / アルコキシド / 金属塩 / 熱可塑性 / ガラス転移 / 非晶質 |
Outline of Annual Research Achievements |
SPring-8において測定した高エネルギーX線回折データから二体分布関数を求め、ベンゾイルアセトン(BzAc)とチタンアルコキシドを含有する溶液、ならびにBzAcとジルコニウムアルコキシドを含有する溶液を濃縮して得られる非晶質が、頂点共有および稜共有によって連結したTiO6八面体ならびにZrO6八面体からなることを明らかにした。また、BzAcとチタンアルコキシドを含有する溶液から作製した非晶質について低温DSC及び低温TMA測定を行ったところ、この非晶質がガラス転移を示すことを明らかにした。キレート剤によって化学修飾されたオキソオリゴマー集合体がガラス転移を示す例は過去に報告されておらず、本研究によって、新しいガラス材料が見出されたことになる。 金属アルコキシド以外の金属源として金属塩をとりあげ、熱可塑性を示す非晶質材料が得られるかどうかを検討した。すなわち、酢酸亜鉛を金属源とし、キレート剤としてBzAcとアセチルアセトン(acac)を含有する溶液を濃縮・乾固した。その結果、透明で熱可塑性を示す非晶質が得られることがわかった。また、β-ジケトン以外のキレート剤としてグアイヤコールを含むチタンアルコキシド溶液の濃縮・乾固を試みたところ、熱可塑性を示す非晶質が得られることを見出した。以上のように、アルコキシド以外の金属源、β-ジケトン以外のキレート剤も、熱可塑性を示す非晶質材料を合成するのに有効であることがわかった。この成果は、新しいガラス材料群の種類の広がりを期待させるものである。
|
Research Products
(9 results)