2015 Fiscal Year Annual Research Report
添加元素によるナノ応力場を用いた三次元表面創製手法の開発
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26630007
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
澁谷 忠弘 横浜国立大学, リスク共生社会創造センター, 准教授 (10332644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子輸送 / ナノ応力場 / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず純すずと錫を微量添加しためっきを対象とした。スプリングバック後の残留応力により導入された局所応力場によって発生する表面ナノ欠陥の挙動について、原子間力顕微鏡を用いて観察した。欠陥の発生に加えて消失も確認することができ、デジタル画像相関法によるひずみ解析から、ひずみ勾配が急峻な箇所で欠陥の発生が生じていることが確認できた。また、原子間力顕微鏡画像の差分から欠陥の体積成長速度を定量的に評価することができた。一定以下のサイズの欠陥は消失する傾向があり、核生成理論により説明することができる。EBSD解析から、銅の添加によって結晶方位が変化していることが確認されたため、弾塑性解析により局所応力場を推定した。結晶方位が変化することで、粒界近傍でのミスマッチが増大し、局所的な応力集中場が形成される。応力集中場は原子輸送の駆動力となるため、原子の発生と消失現象が活発になる。 すず粉末にルテニウムを添加した試料をマイクロ加熱することで、表面の一部に欠陥が発生することを確認した。表面を電子顕微鏡で観察した結果、従来の発生機構と異なり添加元素により形成された化合物内部からすずのひげ状欠陥が発生していることが確認された。類似の元素添加による検証によれば、化合物とすずの線膨張係数の差に起因して化合物近傍で局所応力場が形成されるモデルが提案されている。本研究で得られた観察結果も、化合物に起因した局所応力場に起因したものと推察されるが、さらに化合物形成の反応も大きく寄与していると考えられる。
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