2015 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ援用ナノ精度マイクロ切削のためのダイレクト導光型ダイヤモンド工具の開発
Project/Area Number |
26630017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
厨川 常元 東北大学, 医工学研究科, 教授 (90170092)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 切削加工 / ダイヤモンドバイト / レーザ援用 / マイクロ加工 / バリ / デバリング |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度に引き続き、アモルファスNiPの外部照射レーザ援用マイクロ切削実験(LAM)、シミュレーションを行った。交差溝切削、止まり溝切削実験を行い、工具近傍領域では均一変形が、工具離脱予定部分では著しいせん断応力による局所化したすべり変形が発生していることが確認された。さらにすべり変形が工具通過領域から拡大して生じた場合、工具離脱部分に欠けが生じることがわかった。 次に、LAMにおける効果的なレーザ照射条件について検討するため切削実験を行った。平行溝切削結果から、レーザ照射による熱軟化が原因とみられる切削抵抗低減効果が確認されたが、レーザ照射実験および解析結果から顕著に多結晶化する可能性が高いと予測された条件では通常切削よりも切削抵抗が増加した。この現象はNi3P相の析出によるものである。このことを確認するためにX線回折分析を行い、レーザ照射によりNiPがわずかに多結晶化することを明らかにした。同時に熱伝導解析を行った結果、この部分ではNiPの多結晶化温度約350°Cを超えていることがわかった。 交差溝切削結果から、レーザ出力2.0 WのLAMにおいて交差溝の工具離脱部分における欠けが抑制されることが明らかになった。しかし出力1.0 Wの条件では欠け抑制効果は得られず、出力3.4 W以上の条件では、交差溝稜線または構造本体の著しい溶融が確認された。 これらの実験結果を基に、試作した先端角150度、すくい角-45度のレーザダイレクト導光ダイヤモンドバイトを用いて平行溝切削実験を行い、バリ低減効果を確認した。その結果、バリの減少に効果があることを確認するとともに、波長976nmよりも405nmのほうが効果的であることを見いだした。さらに追加検討事項としてのサーマルデバリングに関しても検討し、適当なレーザ出力を選定することにより、バリのみを溶融除去できることを示した。
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Research Products
(2 results)